Diary


2008-11-01 『高校野球<裏>ビジネス』を読む。

_ 軍司貞則著『高校野球<裏>ビジネス』(ちくま新書)を読んで,その恐るべき構造を知り呆然自失である。

高校の野球部で不詳事件が起きると,かならず,上から一方的にもの申す高野連の姿勢がメディアの批判の的となる。つまり,時代や社会の認識とは著しくズレたところでの裁定がくだされるからだ。そして,いつも,日本野球憲章はすでに時代錯誤もはなはだしいから(戦前に定められたまま),現代の現実に見合うものに改正すべきだ,というところで終結する。わたしも,同様に,高野連の頭の固いおじさんたちに諸悪の根源がある,と思っていた。しかし,軍司さんのこのテクストを読むと,それはほんの氷山の一角にすぎない,ということがよくわかる。

このテクストの特徴を,表紙カバーのコピーがよく表現しているので,それをまずは引用しておこう。

西武裏金事件に端を発し,特待生制度問題にまで発展したプロアマ球界の大騒動。日本高野連をはじめ,高校野球を支えるはずの人々は,この騒動の渦中に何を考え,どのように動いたか。そして実はいまだ一般には知られていない,問題の核心はどこにあるのか。北海道から九州まで歩いて,指導者や強豪校の本音をインタビュー。さらに有力選手獲得合戦の実情や,夢や情熱をカネに換える手口など”国民的スポーツ”の闇を暴く!

ここに取り上げられている問題を一つひとつ考えていくと,諸悪の根源は,高校野球ではなくて,その前段階にある「ボーイズリーグ」の有望選手の「売り買い」からはじまっていることに気づく。しかも,この「ボーイズリーグ」(中学生の野球チームを組織したもの)の有望選手に群がる悪徳プローカーには,元プロ野球選手で,引退後の仕事がうまくみつからなかった人たちが多いという。

悪徳ブローカーの手口もきわめて巧妙で,知らずしらずのうちに「抜き差しならぬ」関係を築きあげ,その軛から抜け出せなくなってしまうのだ,という。たとえば,「ボールの仕組み」という業界用語がある。その意味は,「ボーイズリーグ」に所属する有望選手のいるチームに「ボール」をプレゼントする。どのチームもボールを潤沢に使って練習をするにはお金がかかる。ボールは多ければ多いほどいい。だから,有望選手をかかえているチームには,ボールが寄付される。その寄付者が,高校の強豪校であったり,大学であったり,はては,西武のようなプロ野球チームであったりする。ボールを寄付されたチームの監督さんは寄付者に対して恩義を感ずるのは当然である。この手の方法は,「バットの仕組み」にも応用され,はては「グラウンドの仕組み」にまで発展していく。こうして,がんじがらめにした上で有望選手を獲得する,というのである。

これは,ほんの一例で,もっともっと手は込んでいる。他人名義の「クレジットカード」をプレゼントして,自由にお金が使えるようにする方法・・・などなど。よくもまあ,こんな悪智慧がはたらくものだと思うような奇想天外なアイディアが,つぎからつぎへと編み出されているという。こういう実態があることを,当事者たちは百も承知しているはずである。つまり,高野連の幹部たちも,当然,知っているはずである。しかし,ここには目をつむって,知らぬ存ぜぬで押し通している。

そのいい例が,高野連が設置した「有識者会議」であり,そこでとりまとめられた「西武最終報告」である。あるいは,自民党が設置した「高校野球特待生制度問題小委員会」での議論である。事情通の関係者も呼ばれているのだが,かれらは一切,問題の核心には触れず,表面的な問題(つまり,メディアが問題にしていること)だけに応答することに終始している。それで,なんとなくお茶をにごしておいて,あとは時間をかせぐ。つまり,「人の噂も七十五日」で忘却のかなたに消えていくことを待つ。ここでは,さきに触れたような「ボーイズリーグ」をとりまく悪徳ブローカーは闇のなかに伏せられたままである。いまのジャーナリストはそこまで掘り下げた取材をする時間も能力もないらしい。だから,問題の核心はつねに「闇」のなか。

軍司氏の徹底した取材をとおして,ようやく問題の核心が浮かび上がってくる。そして,このような新書となって世にでるころには,すでに忘却のかなたに消えてしまっていて,そういえば,そんなことがあったよなぁ,で終わってしまう。これではいつまで経っても,高校野球をめぐる諸問題(たとえば,特待生制度問題)は解決しないままである。しばらく鳴りをひそめていれば,またのチャンスがやってくる,と悪徳プローカーは虎視眈々とつぎのビジネス・チャンスを狙っている。

犠牲者はいつの時代も弱者。ここでは,野球が好きで仕方のない純粋無垢の少年たち。この少年たちが「裏」ビジネスのいい「餌食」にされているのである。困ったものだ。

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2008-11-02 岸野雄三先生に叱られる。

_ ふだんはあまり夢をみない。というか,記憶に残るような夢はみない。だが,久しぶりに鮮明にたどり直すことのできる夢をみた。それも,だれよりも大事な恩師・岸野雄三先生に叱られた夢である。

学会かなにかで大勢の研究者仲間とわいわいやっているところに,「岸野先生がお呼びです」という伝言があり,岸野先生のお部屋(和室の部屋だった)にうかがった。いきなり「君には失望したよ。顔を前に出しなさい。一発だけ,頬を張る」と言われたので,なにがなんだかわからないけれども,なにか先生の逆鱗にふれることをしてしまったのだろうと思い,顔を前に出す。怖い目つきからして,これは相当にはげしくぶたれる,と覚悟。そうしたら,思いっきり高く振り上げた手が,そろりとゆっくり降りてきて,2本の指(人指し指と中指)で,わたしの頬を押さえただけだった。

そして,にこりと笑って,「なぜ,君は逃げないんだ?」と聞かれる。わたしは「逃げる理由はありません。なにがなんだかわけもわからず身を投げ出しています」と答える。「君はほんとうに,なにも心当たりがないんだね」と先生。「まったくわけがわかりません」とわたし。「どうやら,わたしの勘違いだったらしい。悪かった」と先生。「なにか,わたしのことであったのでしょうか」とわたし。「いや,いいんだ。なにもないのであれば・・・」と先生。「なにかあったのであれば,ぜひ,教えてください」とわたし。

「じゃあ,言うけど,気を悪くしないでほしい」と先生。

ここから意外な話が展開していく。しかも,その話をいまも鮮明に思い出すことができる,というのが不思議。

話の大筋は以下のとおりである。

岸野先生の仰るには,「君のことについて,最近,よくない話ばかり聞く。君には大勢の人を束ねて,研究者としての道を切り開きながら導いて行ってほしい,と期待していた。しかし,最近になってよくない噂ばかりが流れてくる。これは困ったものだ。一度,きちんと話をする必要がある,と考えた。ところが,君の顔を直接みてみたら,ケロリとしている。なにも作為的なことはないようだ,と気づいた。だから,顔を張り倒そうと思ったけれども,途中で萎えてしまった。」と。「その,よくない噂って,どんな噂ですか?」とわたし。

「うん。どうでもいい噂は聞き流しておくけれども,ちょっとだけ気になっていることがあるので,そこだけ聞きたい。君は最近,むつかしいことばかり言って,人を困らせているようだ。みんなは,君がなにを考えているのかわからない,ということに不安や不信感をいだいている。このことは承知してやっていることなの?」「はい。わたしも70歳をすぎましたので,いまさら,人を説得しようとは考えていません。でも,70歳にしてようやく見えてきた世界のことは文章にして書き残しておきたい,と思っています。わたしの到達点を記録しておきたい,と。ですから,いまは,だれもわかってもらえないかもしれません。しかし,何年かのちには,わかってくれる人が現れるだろう,と。そのつもりで書いています。」

「あ,それならそれでいいんだ。その覚悟があってのことなんだね。じゃあ,その道をどんどん進みなさい。」「ありがとうございます。これからも頑張りますので,よろしくお願いします。」

「それにしても,君も孤独だよね。自分だけの世界に入ってしまうと,ほんとうに孤独になってしまうからねぇ。だれも理解者がいなくなってしまうから・・・」「はい。まったく仰るとおりです。いまは,これまで経験したことのない孤独を感じています。でも,好きで入り込んだ道ですので,この孤独を楽しみたいと思っています。」「君の坊主的性格が,ここにきて生きてきたね。それは大きな武器になるよ。頑張りなさい。楽しみにしているよ。」「ありがとうございます。どこまで行けるかわかりませんが,とにかく,いま見えている地平線に向かって進んでいくつもりです。」「ああ,それは最高の贅沢というものだよ。孤独どころか,至福の日々じゃあないか。」「はい。外からの雑音さえ入ってこなければ,わたしの日々はまさに至福の時間の連続です。」「世の中,そんなにうまくは行かないよね。でも,そういう気分を味わえる人はそんなに多くはいないから,君はラッキーなところに到達したね。よかったよ。安心したよ。」とにっこり。「はい。とても幸せだと思っています。」

「ところで,西谷修さんは元気にしているかねぇ」と岸野先生。「ええ,とても元気です。いま,週に一回,一緒に太極拳の稽古をしています。来年の1月から半年間,パリにサバーティカルででかけます。いま,もっとも油の乗っているときだと思います。」

と,こんな会話から,太極拳の話をひとしきり。そして,話はフランス現代思想におよび,いつ,はてるともない話が延々とつづいていく。こんなに長い夢を,しかも,鮮明に記憶している夢をみたのは,ひょっとしたら生まれて初めてのことかもしれない。

それにしても,わたしにとっては一番大切な恩師・岸野雄三先生が,わたしの「夢枕に立たれた」ことの意味はなんだったのか・・・・。しかも,「お叱り」から「励まし」に転じていくことの意味は・・・?フロイトの「夢判断」の事例でも読み返しながら,みずからの「夢判断」でもしようか,と思う。それにしても,いまもなお,わたしのことを心配してくださっていることに思い至り,しみじみと恩師のありがたさを思う。

先生,どうもありがとうございます。これからも,どうぞ,大所高所からお導きくださいますよう,よろしくお願いいたします。

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2008-11-03 「ダイエット」とは・・・・。

_ 「ダイエット」ということばが巷に氾濫しはじめて久しい。「ダイエットしている?」「うん,そろそろはじめようかと思っている」「おれもダイエットすることにしたよ」というような具合だ。

しかし,このことばの使い方はおかしい,とずっと思っていた。たまたま本屋さんの文庫本コーナーでひょいと高橋秀実(ひでみね,と読む)の『やせれば美人』(新潮文庫)という本が目にとびこんできた。すでに,この著者のものは『素晴らしきラジオ体操』『はい,泳げません』などという本を書いていて,その飄々とした書きっぷりが気に入っていたので,迷わず手を出した。この本がなかなかいい。力まず,かといって手抜きはしない,そういう著者の姿勢が心地よい。

この本の50ページに,ダイエットという英語の語釈が紹介されている。だれでも調べればすぐにわかることだが・・・・。かく申すわたくしめも調べることもしなかった。しかし,よくよく考えてみれば,『スポーツ史研究』にも,そのむかしドイツ語の「Diaetetik」に関する論文が掲載されていた,と記憶する。それはともかくとして,高橋秀実さんの本の50ページにもどろう。そこには,以下のことが書かれている。

1.常食,(病人の)規定食,食餌。

2.(日本・デンマーク・スウェーデンなどの)国会,議会。

「やせる」という意味は見当たらない。それに「常食」「規定食」と「国会」という意味の間にも何の関係もないように思える。

もともとラテン語,ギリシャ語だったらしいので,語源を探ってみようと『英語語源辞典 第4版』(研究社 平成9年)を読むと,源に収斂するはずがさらに意味が増えてしまう。列挙すると−−

・一日の旅程

・会合の日

・造幣局で日々,試金のためにけずり取られる金・銀の延べ板の一部

・食物

・(治療目的などの)規定食

・食習慣

・生き方,一生涯,考え方

意味がバラバラである。何だかさっぱりわからないが,よくよく考えるとこれらの意味にはひとつの共通点がある。それは,

「きちんと」

ということである。

こんな調子で,さらに詳しい高橋流解釈学が披瀝される。もともと,著者の高橋さんは東京外国語大学のご出身なので,外国語に関してはなかなかの蘊蓄を傾けられる力を備えていらっしゃる。この本のなかでも,「Diet in Islam」をインターネットで調べてみると,まさにイスラム教徒が守るべき食事の方法が「きちんと」書いてある,と解説していらっしゃる。

そして,この高橋さんの結論は,「きちんとした食事」をとることが「ダイエット」の本来の意味であり,「きちんとした食事」をとることがバランスのとれたからだを導き出すのだ,という。

問題は,この「きちんとした食事」とは,どういうことなのか,という点にある。ここから,いわゆる専門家といわれる人びとの主義主張がさまざまに分かれていく。純粋に「科学的根拠」だけを提示する人もいれば,根も葉もない直感だけでノウハウを披瀝する人もいれば,長い経験と科学(医学)とを組み合わせて説く人もいれば,「バナナを食べればやせられる」調の単純明解な提言をする人もいれば,まあ,世の中,さまざまである。でも,結局は「実行」するのは当のご本人なのである。ご本人が信ずる道を進むしか方法はないのだ。迷信といわれようが,なんといわれようが,「やせたい一心」には勝てない。

しかし,「やせれば美人」になるという一般通念は,はたして信じられるのだろうか。女性は「やせる」ことが「美人」の前提条件だと「妄信」している節があるが,男性の多くは「ふくよかな女性」が好きなのである。このことを,世の女性たちが知らないでいることの方が重大事だ,とわたしは思う。この本の著者も同じで,巻末には,以下のようなくだりがある。

「やせてきれいな私と一緒にいると,自分が見劣りする感じがするでしょう」

たしかに,そういう感じがする。自分がだんだんやせ細って貧相に思えてくる。

「妻がデブだと安心でしょ」

私を見つめながら,彼女が言った。

−−・・・なんか,ホッとします。

そうつぶやいて,私は妻のぷちゃぷちゃした脂肪の谷間に飛び込み,そのまま顔をうずめた。ああ,こうしてぬくぬくと脂肪に包まれて,一日中のんべんだらりとしていたい。「きちんとした生活」ではなく,だらだらと。そのためにも彼女には「やせたら美人」のままて,いつも「定位置」にいてもらわなくては困るのである。

「男はそうやって,自分が安心することだけを考えて生きているのよ」

妻の声が耳元で聞こえた。

以上である。こういう力まないで,しかも肝腎要なことははずさない高橋秀実さんのスタンスが,わたしには心地よい。

さあ,みんなダイエットをしましょう。あっ,話の「落ち」が逆になってしまった。

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2008-11-04 「暴力」ということについて。

_ もう,ずいぶん前に,W.ベンヤミンの『暴力批判論』に出会ってからずっと「暴力」ということを考えつづけている。つまり,スポーツ文化はひとつの「暴力装置」ではないか,と。

いまごろになって,ふと,むかし読んだ話を思い出す。『物理の散歩道』(ロゲルギスト著,岩波書店)という本のなかに(この本はとてもよく売れたので,全部で6巻くらいまででたと記憶している),「芝刈り」の話がある。ロゲルギストとは,執筆に携わった物理学者の総称である。仲のいい物理学者たちが集まって,わいわいがやがややっているうちに,面白そうな話題を本にしようということになり,この本の企画が生まれたという。だから,この「芝刈り」の話も物理学者が書いたものである。

話のすじはこうだ。芝という草は刈れば刈るほどによく芽を出す。つぎからつぎへと新しい芽を出す。しかし,刈らないでいると,ひとつの芽がそのまま育っていって,新しい芽を出そうとはしない。だから,芝は刈れば刈るほど,芽のつまった,きめの細かい芝が隙間なくひろがる。もちろん,根も広く張ることになる。だから,芝は刈れば刈るほどにいいのだ,と。

利点はそれだけではない。芝の中に紛れ込んで芽をだすその他の雑草は,芝を刈り取るたびに刈り取られていくと,葉を広げて呼吸をすることができなくなりやがて枯れてしまう,というのだ。だから,芝は刈れば刈るほどに,芝だけが生き残り,他の雑草は枯れはててしまい,きれいな芝の庭を維持することができるのだという。

おまけに,芝は刈れば刈るほど新しい芽を出さなくてはならないので,地下の根を広げていく。そうなると,どこかから雑草の種が飛んできたとしても,もはや,その雑草が根づく余白すらなくなり,仮にうまく根づいたとしても,芝に水分も養分もとられてしまって,結局,雑草がよく管理された芝のなかに割り込むことは不可能になる,という。

こんな話を,少なくとも30年ほど前に読んで,なるほどと納得した。しかも,鮮烈な記憶となっていまも残っている。そして,いまごろになって,「これは立派な『暴力論』ではないか」と気づく。

芝の庭園を愛でる人間にとっては,芝だけが正義。その他の雑草はテロリスト。もう,これだけ書けばあとの説明はかんたんだ。ヨーロッパの文化論の根底にあるものは,人間がいかに自然を支配するか,人間にとって都合のいいように自然に手を加えて,思いのままにコントロールすること,という考え方があることはよく知られているとおりである。つまり,そこでは人間の「理性」が最優先される。「理性」的に考えて,都合の悪いものはすべて排除していく。「理性」中心主義の誕生である。ヨーロッパ近代の「合理主義」はこうして誕生した。ヨーロッパ近代の「ヒューマニズム」も,こうした「合理主義」と連動して誕生し,こんにちにいたっている。

自宅の庭やゴルフ場を管理するために,芝を最優先する,という考え方にいちゃもんをつける気はさらさらない。それで結構である。しかし,いつのまにかこの考え方が「普遍」(カトリシズム)の問題につながっていき,無意識のうちに芝だけが「正義」だと思い込むようになるから怖いのだ。しかも,世界中を芝の庭園にすることだけが「正義」だという主張に対して「国際世論」は手を拱いている。だれも猫の首に鈴をつけようとはしない。みんな奇怪しいということに気づいていながら。

そこで,慌てて,もう一度,W.ベンヤミンの『暴力批判論』を読み返してみる。「法措定的暴力」も「法維持的暴力」も,よくよく考えてみれば,「理性」を最優先した発想から生まれてきたものだ,ということに気づく。人間は「理性」のみで生きるにあらず。フロイトを引き合いにだすまでもなく,意識よりも無意識に依拠した生き物なのだ。喜怒哀楽の感情を無視して生きることなどできはしない。「理性」が過剰に機能するようになった近代社会の「ツケ」(デリダに言わせれば「亡霊」)が,いまや抑えがたく表出しはじめている。「理性」の「ツケ」を「理性」で裁こうとする「愚」をいつまでつづけようというのか。

いま一度,「理性」の「外」に身を置き,生身のからだの論理を最優先させて,ものごとの原初から組み立て直さないかぎり,もはや出口は見出せないだろう。

世界中の庭園を「芝」で埋めつくそうという,一神教的発想からの「離脱」と「移動」こそが喫緊の課題ではないか。

珍しく気合いが入りすぎたようだ。反省。

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2008-11-06 マーティン・ジェイの「ガーデニング衝動」

_ 昨日のブログに月嶋紘之君が「突っ込み」を入れてくれたので,その応答をしようと思っていたら,日付が変わってしまっていた。だから,一昨日のブログの・・・ということになる。

月嶋君が『暴力と人間存在』(谷徹/今村仁司著,筑摩書房)を紹介してくれたので,ならば,正直に「ネタばらし」をしておこうというのが,今日のブログの主旨である。

なにを隠そう,一昨日のブログに書いた「芝刈り」の話(『物理の散歩道』,ロゲルギスト著,岩波書店)を想起させたのは,『暴力と人間存在』のなかにあるマーティン・ジェイの論考「恩寵の場にあらず」である。この論考の冒頭の部分に,つぎのようなくだりがある。ジェイ氏が広い庭つきの新居を購入して喜んでいたら,「カタバミという恐ろしい雑草」が生えていることを知り,これを「根絶」するために悪戦苦闘をする。この「雑草」を駆除するという正当な理由のもとに呼び覚まされる衝動を「ガーデニング衝動」と名づける。そして,この「普段なら意識の管理下にあるサディスティックで攻撃的な衝動」がにわかに頭をもたげ,猛然と機能しはじめることになる。

ここから,ジェイ氏は深い思考のなかに分け入っていく。

「『容赦なく除去』されるべき『雑草』のほかには,ユダヤ人だけでなく,先天的な病気をもった人々,知能の劣等な者,身体の奇形をもった者もまた含まれていた。」以下に重要な論考が展開されているが,ここでは省略しておく。でないと,引用につぐ引用となってしまって,だれのブログだかわからなくなってしまう。

これだけ書いておけば,一昨日のわたしの書いたブログの後半の結論部分が言わんとしていることの意味がもっと鮮明になってくるはずである。つまり,ヨーロッパ近代が重視した「理性」こそが暴力を発動させる原点にある,というわけだ。もっと言ってしまえば,雑草を駆除して新しい「秩序」を打ち立てようとする志向こそが,もっとも危険な暴力性を秘めている,と。

ここまでくれば,人間は存在するだけで,すでにして「暴力」なのだ,というテーゼがおのずから想起されることになろう。だからこそ,この本の題名は『暴力と人間存在』。

以上,一昨日のブログの「ネタばらし」まで。

このあとの議論は,人間存在の本質規定をめぐるスタンスの違いが待っていることになろうか。ショウペンハウアーなら「盲目の意志」,ニーチェなら「力への意志」,ヘーゲルなら・・・,ハイデガーなら・・・,ジョルジュ・バタイユなら・・・,と百花繚乱のごとき議論が展開されることになる。これはまた別の機会に。

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2008-11-07 自然の「暴力」ということについて。

_ マーティン・ジェイの論考「恩寵の場にあらず」の後半部分について,月嶋君が整理をしてくれたことに感謝。でも,わたしが,なぜ,後半部分を省略したかということの意図は読み取ってもらえなかったようですので,ちょっとだけ,補足。

この補足は,ほんとうはとてつもなく長い説明が必要なのですが,誤解を恐れずに短く試みてみたいと思います。

まず,最初に断っておかなくてはならないことは,ジェイの論考が掲載されたテクスト『暴力と人間存在』の全体にもわたることがら(あるいは,この著者たちが共有していると思われる「暴力」についての考え方)に,わたしは一定の距離をもっている,ということです。ですから,当然のことながら,ジェイの論考についても,後半部分,いみじくも月嶋君が整理してくれた内容についても,わたしなりの批判があります。それは,ここまで拡大して「暴力」問題を取り込んでしまうと,もはや,すべては「暴力」だ,という議論になってしまいます。つまり,「暴力」概念のインフレーション(藤野寛)だ,ということになってしまいます。

その典型的な例が,自然の「暴力」という考え方です。わたしは,地震や雷の猛威を,自然の「暴力」とは考えません。自然に対して人間の理性が働きかける営み,すなわち,「文化」は立派な「暴力」装置だと考えます。それでも,「文化」をそのまま「暴力」だとは考えません。ベンヤミンが言うように,それらが「倫理的な諸関係に介入するとき」に「暴力」の問題が発生する,と考えます。

ここのポイントをはずしてしまうと,「暴力」概念のインフレーションを起こしてしまう,と。ですから,ジャック・デリダは「暴力のエコノミー」という概念を提示して,「暴力」のインフレーションに歯止めをかけようとしたのだと思います(『法の力』法政大学出版局)。もちろん,デリダの考えのなかには,自然の「暴力」は含まれてはいません。

問題は『暴力と人間存在』というテクストをどのように読みのか,ということにあります。正直に書いておけば,今村仁司さんのこれまでの一連のお仕事に一定の敬意を表しますし,多くのものを学ばせてもらいましたが,全面的に同意するところまでは,残念ながら到達しませんでした。いつも,ちょっと違う,ちょっと違う,と感じていました。その点では,このテクストも同様です。とても魅力的な論考の展開がなされている部分が多々あり,目を見はらされることも少なくありません。その意味で,このテクストもなかなか素晴らしい,と考えています。

これ以上の細部についての議論は,また,こんどお会いしたときに直接できればと思います。そういうチャンスが到来することを,いまから,とても楽しみにしています。

今日のところは,このあたりで。

今回は「突っ込み」を入れてくれてありがとう。これからもよろしく。

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2008-11-09 堀田善衛著『上海にて』を読む。

_ 北京オリンピックの年ということもあって,ずいぶんと中国に関する「にわか勉強」をした。どれもあまり気に入った本はなかった。が,一昨日,ふらりと立ち寄った本屋さんの文庫コーナーに『上海にて』をみつけ,購入した。堀田善衛のむかしからのファンとしては読まずにはおけないという,一種の衝動買いであった。

が,この本がよかった。これで中国理解のひとつの基盤ができた,と思った。話は古い。戦中・戦後の中国での著者の体験を,身を切るような思いで書き記している。今福さんのことばによれば,ディスクリプション(外に書くこと)ではなくて,まさに,インスクリプション(内に書くこと)そのものとわたしは受け止めた。

日本の敗戦を目の前にした1945年3月24日,堀田善衛氏はまだ27歳の若さで中国にわたる。そして,1946年12月28日までの1年9カ月間の上海での「希有なる」生活を,その10年後に,中野重治,井上靖,本多秋五,山本健吉らとともに中国に招かれたときに,思い返しながらつづったものが,この作品である。

もう少しだけ触れておくと,堀田氏は中国国民党の特務機関に雇われて,まさに,きわどい仕事に従事していた。まだ,中国共産党が延安にとどまっていたころの話である。まことに複雑な第二次世界大戦後の中国の事情がよくわかる。この当時の中国共産党革命がどのようにして進展していたのか,それに対して一般の中国国民はどのように反応していたのか,ということもよくわかる。つまり,国民党から共産党への移行期ともいうべき混乱期に関する情報を,わたしはこれまでまじめに入手しようとしてこなかった。だから,どことなく中国に関しては腰が引けていた。

しかし,ひとつだけ重要なことがわかったのは,毛沢東の中国共産党軍は,1949年の中国統一前に,すでに,チベットに向けて,「チベット国民解放」のために侵入している,ということだ。その延長線上に,こんにちの「チベット問題」があるということ。このことはしっかりと頭に刻んでおくことが必要だ。

また,堀田善衛氏が文学者として立つ前の,若き青年の感性のようなものが如実に伝わってきて,これもまたわたしにとっては大きな収穫であった。やはり,若いときから目のつけどころが違う。そして,それを受け止める感性が違う。しかも,それを自分自身の問題として引き受け,血肉化していくところが違う。一つひとつの,この中国の動乱期での体験を「からだ」に刻み込むようにして,記憶(記録)する,この資質の違いというべきか。のちの,堀田ワールドを彷彿とさせるものが,すでにして躍如としている。ファンとしてはたまらない一冊。

ついでに,この時代の堀田氏の日記が,つい最近,刊行された。これと合わせて読んだら,もっともっとすごいことになりそうだ。こちらも,これから入手する予定。

なお,蛇足ながら,重松清著『加油(ジャアヨウ)』も面白かったので,「文学にみるスポーツ」の連載で扱うことにして原稿を書いた。が,こちらは,今風の軽い読物で,ディスクリプションのお手本のような本。合わせて読むと,この時代のあまりの落差というか,感性の違いというか,文学者としての資質の違いをいやというほど思い知らされる。そういう勉強をするためのテクストとしてはとてもいい。ただし,お断りしておくが,重松清の小説世界は,わたしの少年時代の体験ともつながる世界なので,とても共鳴するものは多い。だから,ついつい,買ってきて読んでしまう。また,読みはじめると止められなくなる,そういう現代のすぐれた作者であることも申し添えておく。

この人の書くスポーツもの(野球ものが多い)も,それぞれの時代や社会の背景を知る上では欠かせないものの一つである。だから,これからもこの人の作品は追っていこうと思っている。

繰り返すが,堀田善衛のインスクリプション,重松清のディスクリプション,という意味で蛇足ながら書き加えた次第。

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2008-11-11 メールアドレスが盗まれました。

_ こんなことが,自分の身にふりかかってこようとは夢にも思っていませんでしたが,やはり,起こりました。びっくりするではありませんか。自分のメールアドレスから,まったく不可解なメール(俗にいう迷惑メール)が送られてきたのですから。

この9日・10日と一泊で真鶴にでかけていました。むかしの学生寮時代の同期の集まり(「高相会」)が年に一回あって,その会に参加。一年ぶりに旧友たちに会って気分よく帰ってきたら,このメールです。びっくり仰天してしまって,いったい,どういうことが起きたのか,わけがわからなくなりました。しかし,少し冷静になってきたら,そういえばフィッシングとか,ピッキングというようなことばをどこかで聞いたことがあるなぁ,と思い描くことができるようになりました。

そこで,まずは,なによりも早く,契約してあるブロバイダーの支払い代金に異常はないかを確認。少なくとも,先月までは,契約どおりの金額が計上されていたので,ちょっとだけ安心。となれば,これからの対策をどのようにするか。

まずは,新しいアカウントを確保して,ログイン・パスワードを変更して・・・と必要な手続をすませて,新しいアドレスを立ち上げました。これでも駄目なら,解約するしかないか,といまは考えています。

それで,今日も一日中,アドレス変更のお知らせメールを送信しています。全部,終わるにはまだしばらくかかりそうです。一括して送信してしまえば簡単だと考えましたが,かつて,自分のところにそのようなメールが届いてときにあまりいい感じではなかったことを思い出し,一人ひとりに送信することにしました。大いに手間がかかりますが,自分がいやだったことは他人にもしてはいけない,といい子を演じています。

というようなわけですので,今日も,まだまだその作業がつづきます。どこまでつづく泥濘ぞ。

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2008-11-13 メールアドレスを変更して,いいことが一つ。

_ いまも,メールアドレスの変更のお知らせを一人ひとり送信しています。まだまだ,続きます。が,仕方ありません。でも,メールアドレスを変更したら,いいことが一つだけありました。

これまで着信していたいろいろなところからのメールが,パッタリと来なくなりました。もちろん,迷惑メールも一通もありません。なんだか拍子抜けしたような感じですが,すっきりして,ありがたいかぎりです。毎日,毎日,迷惑メールの削除の日がつづきましたが,これからはもうそんな必要がなくなりました。

これで「一」から出直しです。

なにもかも新しい気分で再スタートです。まるで新入生のような気分です。張り切って頑張るぞー,という気分です。

まだ,メールアドレス変更のお知らせがとどいていない人,いま,しばらくお待ちください。ここに書いておけば,それで済むことなのですが,ここに書くとまた悪用されるかもしれないよ,というパソコンに詳しい人からの助言に従うことにしました。

便利なスツールは,同時に危険でもある,ということを今回は骨の髄まで教えられました。これをこんごの文明化社会を生きていく上での重要な教訓にしたいと思います。

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2008-11-14 メールのラッシュ。

_ メールアドレスの変更メールを,およそ250通ほど送信したので,昨日・今日とメールのラッシュがつづいている。一日で40通をこえるほど。これは自己新記録。

いろいろ激励やら心配やらのメールをいただいて恐縮。でも,驚いたことに,「わたしにも経験がある」という人が意外と多いという事実。しかも,なかには面倒だからほったらかしにしてある,という度胸のある人もいる,という事実。あるいは,メールアドレスを盗む方法まで,具体的に教えてくれる人もいる事実。この人は,例をあげて,パスワードが4けたの数字だとしたら,こういう計算式で割り出すことができる,とまで教えてくれる親切な人。いまの世の中,なにがあっても不思議ではないから驚かないことにした,という人。まあ,いろいろの人がいるものだ,しかも,個人的にメールで交信している人だから,そんなに遠い存在の人ではない。むしろ,身近な人というべきだろう。

ものの見方・考え方が急激に変化している,ということは頭のなかでは理解していたが,今回のこの騒動をとおして,からだをとおして理解できるようになった。これが唯一の収穫というべきか。

もはや,ヴァーチャル・リアリティを「仮想現実」などと漢字でイメージして考えていてはいけない,むしろ,こちらこそが真の「リアリティ」ではないかとさえ思えてしまう状況が多くなってきている。そして,子どものころからだをとおして感じていた「リアリティ」を探す方がむつかしい世の中になっていることに,いまさらながら,気づく。

これもまた,今回のメールアドレス騒動の収穫というべきか。

いよいよ,これは本格的に,残りの人生の生き方について考え直さないといけない,と危機感すら感じてしまう。つまり,毎日の暮らしそのものが日常性のなかに埋没してしまっていて,同じルーティンのなかに閉じこめられてしまっている。だから,感覚器官がますます衰えていってしまう。もっともっと,からだ全体をとおして環境世界と付き合っていく,格闘していく,折り合いをつけていく,そういう生き方をしないといけないのではないか,と。

荒川修作ではないが,「死なないために」(彼の詩集の題名),いま,わたしたちはなにをしなければならないのか,と問い直すことが重要。かれの建築のコンセプトの一つは「転ぶ」だ。人間は「転ぶ」瞬間に,はじめて,からだの全神経が全開となる。ここが「生」の原点。ここから,からだを活性化するための建築を考える。21世紀を生きる人間のための建築だ,とかれは言う。

養老天命反転地(テーマパーク)にも,奈義の現代美術館の「太陽」の建築にも行って,からだでそのことを体験してきた。ちかく,三鷹天命反転住宅を見学に行こう,と誘われている。なんとしても出かけていって,しっかりと「からだ」で感じてきたいと思う。

おやおや,こんなことを書くつもりは毛頭なかったのに・・・・。これも,メールアドレス騒動のお蔭か・・・・?

感謝,感謝。なにごとにも感謝しながら,プラス志向で生きていくことにしよう。でないと,からだが閉じてしまいそう。もっともっと「開いて」,と自分自身に言い聞かせながら・・・・。「死なないために」。

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2008-11-15 『沖縄/暴力論』の書評に触れて

_ 西谷修・仲里効編『沖縄/暴力論』(未來社刊,2520円)が,昨日,とどいた「週刊読書人」でとりあげられ,田仲康博による書評が載っている。どんな風に書評するのかなと思いながら読んでみた。なかなかよく書けていて好感をもった。

近頃は一週間があっという間にやってくる。毎週,発行される「週刊読書人」は楽しみの一つではあるのだが,意識としては「昨日,読んだばかりなのに,もうくるの?」という感じ。この一週間は旅行にでたり,とんだハプニングが起きたりしたので,とくに短く感ずる。定年退職後はもっとのんびりと生活するはずだったのに・・・。そして,いまごろは沖縄に移住して,新しい友人をつくって楽しい生活をしているはずだったのに・・・・。

こんな思いもあったので,「沖縄」はことのほかわたしのなかには大きな存在としていつも息づいている。だから,沖縄関係の本もずいぶん読んできたつもりである。岡本太郎の『沖縄文化論』まで読んだりして,かなりの情報通のつもりだったのだが,そうは問屋が卸さない。

この未來社の『沖縄/暴力論』は,もともとは,2007年11月10日・11日の二日間にわたって東京外国語大学で西谷修が仕掛けたシンポジウムをまとめたものである。それに,新たな論考を追加して,市販本として世に送り出されたものである。もっとネタ明かしをしておけば,このシンポジウムの報告書がでていて,それをさらにブラッシュ・アップしたもの,それが未來社版である。その報告書はいまもわたしの手元にあって,何回も繰り返し読んだので,あちこち赤線が引いてあって,大いに汚れている。その報告書のタイトルは,ドキュメント『沖縄・暴力論』,東京外国語大学大学院国際協力講座編,西谷修,中山智香子,米谷匡史,真島一郎,石田英敬,間宮則夫,仲里効,目取真俊,といった錚々たる名前が並んでいる。表紙のタイトルに重なるようにして「帝国的テロル&経済原理主義」「自発的隷従V.S.自爆的抵抗」という文字が躍っている。

二日間にわたるこのシンポジウムは,とても緊張度の高い,それこそ息つぐ暇もないほどの,わたしにとってはきわめてインパクトの高いものであった。だから,いまでも,鮮明に一人ひとりの発言が能裡に浮かんでくる。とりわけ,目取真俊の発言は,わたしなどの想像をはるかに超える,かれの身体のなかに刻み込まれた記憶の奥底から引き出されてくる,まさに,インスクリプションを経過した「ことば」となって表出するものであった。作家の語る「ことば」の威力というものを思い知らされた,そんな印象がいまも鮮明である。

この夏に,スペイン・バスクの友人たちと,七色に変化する美しい海に身を浸しながら,楽しい時間を過ごした渡嘉敷島で,わたしの頭のなかでは,あの「集団自決」のことが渦をまいていたが,とうとうひとこともこの思いを語ることはできなかった。小さな集落のここかしこに「ウガンショ(御願所)」があって,それをみんなで見て回ったときも,わたしの心臓は高鳴っていたにもかかわらず,ひとことも「集団自決」のことには触れることができなかった。もちろんのことながら,曽野綾子の「祖国への<愛>ゆえに集団自決を選んだのだ」という言説が能裡をかすめたときには,からだが震えるほどの「怒り」すら覚えたにもかかわらず,なにごともなかったかのごとく振る舞っていた。日本の友人たちにも,バスクの友人たちにも,ひとことも発することができなかった自分が情けないとすら思った。

その反動というべきか,二日目の夜に行われた「えいさー」については,自分でも驚くほどの饒舌になって,想像力のかぎりをめぐらせ,バスクの友人たちに説明していたわたしは,やはり,尋常ではなかったのだ。慶良間島の「えいさー」は有名で,とても組織だっていて,演出もうまくできていて,みごたえがあった。だから,道化の役割から幟旗を差しかざす男の役割から,太鼓,鐘,泡盛の瓶をかつぐ男にいたるまで,ことこまかにストーリーを語った。しかし,渡嘉敷島の若者たちによる「えいさー」について,やはり,ひとことも語ることはできなかった。ほんとうは,渡嘉敷島の「えいさー」について語りたかったのだ。なぜなら,この島の若者たちだけが,男女混合のチームを組んで,あるいは,かなりの年配の人も混じって「えいさー」を演じていたからである。しかも,その表情たるや真剣そのもの。これまでみてきた,どこかの催しものの一つとして演じられる「えいさー」とはわけが違った。地元の長老たちが見守るなかで,そして,小さな子どもたちが見守るなかで演じられる渡嘉敷島の「えいさー」に手抜きはないのである。まるで,土地の精霊が乗り移ったかとみまごうばかりの気合いの入り方は,わたしのこころもからだも圧倒されていた。他のチームの「えいさー」とくらべたら,人数は少なかったけれども,そのスキのない緊張感というか気の入れ方は,わたしには重く,息苦しいまでにこたえた。しかし,この思いを友人たちに伝えることばを,あのときは失っていた。そのことをひた隠しにしたかったのか,ひたすら,慶良間島の「えいさー」だけを語ったのだった。

ある日,ある時,「カンサンジュンや内田樹のように堕落しないと売れる本は書けないんですよ」とうめくようにつぶやいた西谷修のことばが,いま,わたしの能裡をかすめていく。「まともな本ほど売れない時代ですよ」とも言う。

この本は,一度は沖縄と真っ正面から向き合うためにも,ぜひ,読んでほしいものだと思う。わたしも,こんどは,報告書版ではなく,未來社版でもう一度,思考を練り直してみたいと思う。そして,西谷修にいつまでもエールを送りつづけたいと思う。どこまでも地味に,まともな思考を展開してください,と。

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2008-11-16 足温器が届く。

_ 4月から借りている事務所の部屋が,11月に入っていきなり寒くなってきた。あわててエアコンを暖房に切り換えて温めてもらっている。とにかく冷え込むのだ。

そういえば,夏の間はとても涼しくて,エアコンのお世話にもほとんどなることなくやり過ごすことができた。その分,冬は大変のようだ。事務所の部屋は,北側に窓があるマンションの一番端っこである。

本を読んだり,原稿を書いたりするには最適の向きである。南向きの部屋は明るくて,暖かくて,日常の生活をするにはとてもいい。しかし,南向きの部屋では思考力は落ちる,とわたしは経験的に思っている。わたしはもともと寺で育ったので,寺の住職がひとりになって籠もる書院は庫裏のなかでも一番奥まったところにあることを知っている。ここが,瞑想をしたり,経文の勉強をしたりするにはもっとも適しているのだ。そこは,やはり,北側に窓がある。

だから,部屋を探すとき,窓が北側にあることを条件として考えていた。結果的には,窓が北側にあるという理由で家賃が少しばかり安い,という僥倖にあずかることができた。おまけに一番端っこなので静か。周囲の生活音がまったく聞こえてこない。近くの小学校の通学路に指定されているので,下校時に子どもたちがいたずらしながら大きな声を発するのが聞こえてくると,なぜか,ほっとする。それほどに静かなのだ。

しかし,冬が寒い,ということはすっかり忘れていた。10月の後半くらいから,時折,エアコンを暖房にして使っていた。11月に入ったら,ますます冷えてきて,足元まで温めるには相当に部屋の温度をあげるしかない。そうすると,こんどは眠くなってくる。

そこで思いついたのが足温器。親しい友人が使っていて,とてもいいよ,とお墨付きだったことを思い出して,急遽,インターネットで調べて,通販に発注。それが今日,届いた。すぐにセット。これは具合がいい。エアコンの暖房を切って,この足温器だけで間に合ってしまう。足元さえ暖かくすることができれば,頭の方はむしろ涼しい方がいい。むかしから「頭寒足熱」という。頭脳労働者には,これが大原則。

これで明日から研究所の事務所通いが楽しくなる。

さて,どこまで効率よく仕事がはかどるか。あとは気分よく仕事をするのみ。でも,楽しみがあるということだけで,気分もよくなってくる。こういう環境づくりをしないと,喜んで勉強をしない,なんていうのはまるで子どもみたい。それでいいのだ,子どもでいいのだ,と自分に言い聞かせる。

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2008-11-17 『アイヌ神謡集』のこと,など。

_ 今日の朝日新聞・夕刊の「ニッポン人脈記」で,「ここにアイヌ④」が掲載されていて,津島佑子さんが写真入りで大きくとりあげられ,記事のなかにル・クレジオの名前を発見。この二人が,06年,東京のシンポジウムで『アイヌ神謡集』について話した,とある。

なにを隠そう,このシンポジウムにはわたしも聞きに行ったので,鮮明に記憶している。今福龍太氏が東京外国語大学で仕掛けたシンポジウムで,わたしは,ひたすらル・クレジオの顔がみたくて出かけた。想像していたとおりの物静かな人で,考え考えことばを発する姿がとても印象に残っている。このときは,まだ,ノーベル文学賞に相当する作家だということまでは考えていなかった。ただ,ひたすら,ル・クレジオの書いた『悪魔祓い』(新潮社)のイメージを引きずったまま,かれのことばに耳を傾けていた。

この新聞記事によると,津島佑子さんとル・クレジオとは,そのシンポジウムの前に,すでに昵懇の仲だったという。つまり,津島さんがパリの大学で日本文学を教えることになったときに,ル・クレジオが津島さんを自宅に招いて,アイヌの口承文芸をフランスに紹介してほしい,と頼んだのがきっかけだそうだ。

こうした事情を今福さんは先刻,承知の上で仕掛けたシンポジウムだったのだ。シンポジウムのときのやりとりでは,今福さんと津島さんとのこころの籠もったとても暖かいものが伝わってきて,感動したことを思い出す。シンポジウムという場で,ほんのりとした素の感情のようなものが交換できる,ということがわたしにとっては大きな発見であった。その雰囲気に,ル・クレジオがまたぴったりとはまっていた。

やはり,『アイヌ神謡集』(知里幸恵著)をフランス語に翻訳した津島佑子という作家と,『悪魔払い』を書いたル・クレジオという作家と,そして,詩人のような美しい文章を書く今福さんという個性の,三人のコラボレーションが,あのシンポジウムの雰囲気を生み出したのだろう,と思う。

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もう一度,『悪魔払い』と『アイヌ神謡集』を引っ張りだしてきて,読むことにしよう。

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2008-11-18 スポーツ選手の「座右の銘」。

_ 朝日新聞の夕刊に「たまには手紙で」というコラムがある。いまは,俳句の黛まどかさんとマラソンの増田明美さんとの往復書簡が,毎週交互に掲載されている。今日のは「5通目」とある。

内容は,増田明美さんから黛さん宛てになっている。当然のことながら,内容の書き出しは,この間の東京国際女子マラソン(最終回)で優勝した新星・尾崎好美さんとその指導に当たった往年の名選手・山下佐知子さんの話から。

そこで,わたしの眼を引いた話は,女子マラソンの選手たちの「座右の銘」である。わたしも知っている野口みずきさんの「走った距離は裏切らない」からはじまって,思わす吸い込まれていく。面白かったのは,やはり,高橋尚子さんの「座右の銘」。

98年のバンコク・アジア大会で優勝したころは「奢るなよ丸い月夜もただ一夜」というしゃれたことばを大切にしていたという。そして,その後は「何も咲かない寒い日は,下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」,後半は「諦めなければ夢は叶う」だったそうな。やはり,長い競技人生のなかで,そのときどきによってわが身に染みこんでくることばは変化することがよくわかる。トップ・アスリートはわが身を極限まで追い込んでいるので,その苦しいからだやこころを支える「ことば」が必要なのだ,と身につまされる。

こういう記事に出会うと,わが身の追い込みの甘さを,ふいに突かれて冷や汗をかく。甘いなぁ,と反省。なんとダラダラと生きてきたものか,と。どの世界に生きているにしろ,ぎりぎりの「エッジ」のところに立つ覚悟をもって生きているかどうか,そこが分かれ目のように思う。密度の濃い時間を積み重ねてきた人には,なにも語らなくとも「存在感」が伝わってくる。ただ,「存在」するだけで,なにかが伝わってくる。これだけは嘘をつかない。それに引き換え,ことばは時折,嘘をつく。

なにも語ることなく,その「存在」だけで認められるような,そんな人になりたい。もう,手遅れか。いやいや,諦めてはいけない。たとえ,不可能であっても,夢は追いつづけなくては・・・。諦めたらそこでおしまいだ。たった一つでいい,どこまでも追いつづけてみたい。

ちなみに,増田明美さんが,最近,一番元気をもらったことばは「生きることは一筋がよし寒椿」(五所平之助)とのこと。増田さんも,そういう年齢になってきたんだなぁ,としみじみと同感。

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2008-11-20 太極拳をするための「からだ」。

_ 9月ころから,少しだけこころを入れ換えて太極拳の復習をするよう心がけている。その効果が,最近になって現れてきた,と思う。

それは,遅きに失した感もなきにしもあらず,というところだが・・・。どういうことかといえば,ようやくいまごろになって「太極拳をするからだ」ができてきた,ということである。それは,股関節まわりの感覚がわかってきたことと下半身の力の伝導の仕方がなんとなくわかってきた,というとの二つ。

いまも老師から言われつづけていることの一つは「股関節をゆるめる」ということ。ほとんど全体重を乗せ,膝を曲げたままの片方の脚の「股関節をゆるめる」ということが,理屈ではなく,「からだ」でわかる,ということの入り口に立ったという感覚にようやく触れることができたように思う。この感覚に達するまでに,ずいぶんと時間がかかった。それは当然だったと思う。なぜなら,ただ脚力があればできる,という問題ではないからだ。それも,近代スポーツで要求されるような脚力とは違う。いわゆる瞬発力でもないし,持久力でもない。ことばで表現するのはきわめて困難なのだが,あえて言ってみるとつぎのようになろうか。

脚筋力を緊張させつつゆるめる,ということ。脚筋力をゆるめつつ緊張させるということ。そのためには,脚の特定の筋肉に指令をだすのではなくて,脚の筋肉のすべてを動員して,そのすべての筋肉を「緊張させつつゆるめる」のであり「ゆるめつつ緊張させる」のである。別の言い方をすれば,脚の筋肉が「快」を感ずるところで起こる。つまり,緊張と弛緩のころあいのいいバランスがとれたとき「快」が起こる。このとき,股関節がするりと滑るように動く。あるいは,一瞬のうちに「緊張−弛緩−緊張」という筋肉反応を起こさせるということ。この身体技法は相当に奥が深い。ときおり,うまくできたときに感ずることは「気のとおくなるような快感」そのものである。なにか「永遠」を感ずるような世界。

もう一つは,たとえば,右足から左足に体重を移すときの力の伝え方である。とてもかんたんな動作なのだが,これがむつかしい。太極拳のはじまりの動作は,直立の姿勢から左足を一歩,横に開くこと。このとき,右足に一度,全体重を乗せ,左足を持ち上げて,肩幅のところに下ろす。下ろしながら,右足にあった体重を少しずつ左足に移していき,半分半分の体重になったところで一つの静止姿勢が決まる。たった,これだけの動作がむつかしいのである。

老師の説明はこうだ。右足の足裏から大地の気を吸い上げ,左足に少しずつ移していくのだ,と。これが足運びの基本である。それが,左右への体重移動,前後への体重移動と二つある。どちらも同じように,体重が乗っている足の力をもう一つの足に伝えていく。言ってみれば,だれにでもできるかんたんな動作である。しかし,これがむつかしい。老師に言わせれば,この基本ができていないと「力強さ」が表出しない,と。

このことの意味が,頭ではなく「からだ」でわかること。これがむつかしいのだ。頭で命令しても「からだ」はそんなにかんたんには理解してくれない。むしろ,無心でやっているときに,いつしか「からだ」が動いていることがある。だから,ひたすら「からだ」が動いてくれることを「待つ」のみ,ということになる。

こういう稽古をやっていると,なるほど,武術というものは「型から入り,型に終わる」ということの意味がわかってくる。ここには,ややこしい理屈などはなく,まさに,そのままなのだ。

やさしい動作ほどむつかしい,と老師。そのためにはただひたすら「繰り返す」ことしかないのだ,とも。

こうして無心に繰り返していると,あるとき,ふっとからだが動くときがくる。これが不思議だ。やろうと意識するとほとんど駄目。できるだけ,なにも考えないで繰り返す。稽古をするということの意味はここにあるようだ。

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2008-11-21 明日からスポーツ史学会。

_ 明日から二日間(22,23日),福島でスポーツ史学会が開催される。年に一度の大会なので,このときにしか会えない懐かしい顔が揃う。これがなによりもの楽しみ。

もちろん,学会大会なので,研究発表を聞き,議論をすることが第一の目的である。しかし,それにも勝るとも劣らないのが「懇親」である。初日の発表が終わったあと,恒例の会員懇親会が開催される。これがまたなんとも楽しいものである。

学会というものは不思議なもので,だいたいは元気な人が集まってくる。つまり,一年間,密度の濃い時間をすごしたと思われる人が多く参加する,とわたしはずっと感じている。だから,一年ぶりに顔をみると,どのくらい密度の濃い時間を過ごしたかがわかる。人間の顔というものは正直なものである。そして,気力が充実している人の顔に多く接することができる,というのは幸せなことでもある。

だから,目立つのだと思うのだが,時折,元気のない顔に出会うことがある。どこか自信がなくておろおろしている。眼差しが不安定。眼が合っても,真っ正面から見つめ合うということをしない。こういう顔に合うのは寂しいものである。

懇親会などで,アルコールが入ると,みんなさらに元気づいてきて,思いがけない発言に出くわすこともある。つまり,自信過剰になっていて,つい話が過激になる。フンフンと聞いていると,いつのまにか上から見下ろされていることがある。こうなると,こちらもついついアルコールの力を借りて,負けじと応戦する。が,たいていは途中で馬鹿馬鹿しくなってやめてしまう。そして,徹底的に相手を褒めあげて,早々に退散させてもらう。そうすると,また,変に自信をつけて,ますます増長する輩もいる。お気の毒だが,そういう人は地味な研究者には向いていない。

学会は,だから,研究発表という場を借りた一つの祝祭空間をなしている。非日常的な人と人との触れ合いが起こる。だから,面白いに違いない。

ことしの学会は,どんな出会いが待っているのだろうか。いまから,とても楽しみである。

ことしは,もう一つ,楽しみがある。二日目の総会が終わると,わたしには不相応な身分であった会長職から解放される。やはり,荷が重かったというべきか,嬉しくて仕方がない。そして,どこかでみずからの公的な言説も控えめにしてきたように思う。もう,これで役職から解放されると思うと,なにか清々しい気分になれる。

年齢も70歳に達したし,もう,これからはだれにも遠慮することなく,思ったことをありのまま発言していこうと思う。でも,性格的には無意識のうちに過激になる傾向があるので,どうか,こころあるみなさん,そういうときにはブレーキをかけてくださるようお願いします。

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2008-11-24 第22回スポーツ史学会大会,終了。

_ 「コラッセふくしま」(福島駅前)で開催された第22回スポーツ史学会大会が,無事に終了した。無事どころか,もっとも心配された参加者数が予想をはるかに上回り,盛況そのものであった。

「福島は不便なところだから,会員が集まってくれないのでは・・・」と,今回の世話人を引き受けてくれた坂上さんはとても心配されたが,なぜか,大勢の会員が集まってくれた。無理やり,学会大会を引き受けてくれるようお願いをしたわたしとしては,まずは,だれよりも安堵の胸をなでおろした次第である。もちろん,そこには,坂上さんをはじめ,大会組織委員会の人たちのいろいろの創意工夫が張りめぐらされていて,これまでにない魅力的な学会大会を創出したこと,このことを忘れてはならない。いわばチームワークの勝利だった。

今回の大会で印象に残ったことは,①若い会員が大勢参加してくれたこと,②研究発表者も若い会員が多かったこと,③そのせいか,若い会員が積極的に質問をしてくれたこと,④発表内容も魅力的なテーマが並んだこと,などなど。ひとまとめに表現すれば,新しい世代が育っていて,大きな世代交代が感じられた,ということだ。

このことは学会にとってはとてもありがたいことだ。こういう若い会員が積極的に発表をし,質疑に参加してくれないことには,学会はじり貧になってしまう。あと数年もすれば,まったく新しい雰囲気の学会に生まれ変わっているのではないか,とすら予感させるものがあった。

ちょうど,折しも,ことしは役員の改選もあって,今大会の総会終了をもって,会長,理事,監事が交代する。半減上陸で交代する理事にも若い会員が選ばれた。新しい理事会にも新しい風が吹きはじめている。新会長のもとに,きっと,これまでとは違った新機軸がいくつも提案されるようになるのではないか,とわたしは大いに期待している。

思い返せば,この学会を設立するために大いなる力を発揮した4人の立役者がいた。そのうちの一人が新会長となり,もう一人が新理事長となった。そして,このお二人の強力なリーダーシップのもとに,新しい理事会が運営されることになる。このお二人を,それに連なる世代の理事,そして,フレッシュな若い理事がどこまでもり立ててくれるか,ほんとうに楽しみである。その意味では理想の布陣といってよい。

まだ,揺籃期にあった12年前のスポーツ史学会の会長として4年間,そして,かなり安定してきたとはいえまだまだ確たる展望が描けなかったこの4年間,合計8年間もの長い間,会長を任せられたわたしとしては,感慨無量なものがある。いろいろと許しがたいこともあったが,とりあえずは我慢に我慢を重ね,ようやくその任期を満了することができた。では,お前は会長としてなにをなしえたのかと問われれば,まことに心もとないかきりだが,まずはなんとかこんにちの状況を迎えることができた,と答えるしかない。それがよかったことなのか,それとも悪かったことなのか,これはのちの会員たちにより歴史的判断・評価を待つしかない。

まあ,とにもかくにも,わたしのような人間のもとで理事会運営に力を発揮してくださった理事の方々に,この場を借りてこころからの謝意を表したいとおもう。ありがとうございました。

これからは,一人の会員として,粛々となせることをなしていきたい,と考えている。ただし,あまり頑張りすぎて「老害だ」などと言われないように気をつけなくてはいけないが・・・・。

長い間,いろいろお世話になりました。こんごともよろしくお願いいたします。

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2008-11-25 太宰治の『お伽草子』がいい。

_ 作家の森達也が,「わたしのお薦めの一冊」に,太宰の『お伽草子』をあげ,絶賛している新聞記事を読んで,久しぶりに書棚からとりだして読んでみた。

もう,ずいぶん前に読んだ本で,ただ,ひたすら面白かった記憶だけが残っている。ちょうど学会からもどってきて,さて,自分の仕事にとりかかろうと思ったけれども,どうも思考回路がもとのようにならない。それを口実にしてこの本に手が伸びていく。

太宰といえば,『人間失格』や『斜陽』が思い浮かぶけれども,この『お伽草子』は意外に知られていない。しかし,太宰の作品のなかで,もっとも太宰らしくてかれの面目が躍如としているのはこの本だと,わたしは思う。ほんとうに自由自在に想像力をはたらかせていて,小説にもこんな方法があったのか,と感動すら覚える。

わたしたちにも馴染みの深い昔話,たとえば,「浦島太郎」「舌切り雀」「こぶ取りじいさん」「かぐや姫」といった昔話が,いったん太宰の手にかかるとかくも変身するものか,とびっくり仰天してしまう。内容についてはここでは割愛する。太宰の手品のような手法は解説してはいけない。やはり,原作を読んでもらった方がいい。

これを読んでいたら,ふと,佐野洋子の『うそばっか』を思い出した。「桃太郎には桃次郎という弟がいた」という書き出しで,この冒頭の一行を読んだだけで吹き出してしまい,これはたまらん,とすぐに買ってしまった。こちらは「うそばっか」というタイトルどおり,昔話を完璧に改竄した小説で,この手法にも驚かされたものだ。しかし,よくよく考えてみれば,太宰の『お伽草子』が下敷きになっていたことは明白だ。それでも,太宰の世界とはまったく異なる別世界を構築した佐野洋子はえらいと思う。やはり,才能のある人はすごい。

でも,太宰の『お伽草子』を読んでいると,どこか気持ちが吸い込まれていくような錯覚をおこすのはなぜだろう。しかも,気持ちが落ち着くのである。いまどきのベストセラーとは格段の差がある。その最大の違いは,太宰の『お伽草子』なら何回でも読み直したくなるが,いまどきのベストセラーは,一度,読んだらそれでおしまいである。味わいの深さが違うのである。どこか根源的なところが違う。

こんなことを思っていたら,今朝の朝日新聞の「文化」蘭に,水村美苗さんが取り上げられていて,彼女のポートレートの下のキャプションに「近代以降,日本語が達成した高みを保っていかなければ」とある。大きな見出しには「日本語を亡ぼさぬために,近代文学読み継ごう」とある。最近,刊行された彼女の評論『日本語が亡びるとき−−英語の世紀の中で』(筑摩書房)に焦点が当てられている。

「世界で流通する英語が唯一の『普遍語』として君臨する一方,他の言語は亡びつつある」というモチーフで書かれた評論。水村美苗といえば,英語でもドイツ語でも小説を書く,とんでもない作家だ。とりわけ,ドイツではとても注目されている作家だ。もちろん,日本にも多くのファンをもっている。しかし,彼女の小説は,いまどきのベストセラーになるような,軽い読物ではない。その水村美苗が,日本の近代文学が達成した「日本語の高み」を保持していくことが大事だという。

この記事を読んで,太宰の『お伽草子』のもつ文章の魅力は,「美しさ」と同時に「力づよさ」にある,と気づく。つまり,説得力があって,しかも,深く記憶に残る文体なのである。これが,水村美苗のいう「近代以降,日本語が達成した高み」というものなのだろう。

水村美苗の主張の根底にあるものはそれだけではない。「英語帝国主義」とでもいうべき現状に対して,各国の「母語」をもっと大切にすべきだ,という主張がある。別の言い方をすれば,英語による言語のグローバリゼーションに対して,各国・各地域の言語のローカリゼーションの問題を内包している主張だ。

このことは,なにを隠そう,このままスポーツ文化論に当てはめることができてしまう。とてもありがたい傍証を得ることができた。太宰の『お伽草子』に感謝あるのみ。

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2008-11-27 安馬が大関に。

_ わたしの大好きな力士・安馬が大関になった。嬉しくてお祝いに駆けつけたい気分だ。

いまも幕内最軽量の力士である。その安馬がついに大関の座を獲得したのだ。わたしはもともとチビの力士が好きで,とりわけ,でっかい力士を倒すとわたしの全身に鳥肌が立ち,やがてじわじわと歓喜が込み上げてくる。まるでそれは「わがこと」のように。

安馬が幕内に上がってきたころ,まだ,ひょろひょろのからだで,大きな力士と当たるとからだが折れてしまうのではないか,と心配したものだ。しかも,安馬の相撲は,真っ向勝負だ。立ち合いに小細工はしない。まずは,頭から当たって,突っ張りを繰り出し,機をみて得意の右四つに組止める。こうなったら,そんなに簡単には負けない。相手力士がもっとも嫌う組み手である。真っ正面から「押す」と見せて,つぎの瞬間には下手投げがくる。今場所の横綱白鵬との対戦がそれだった。がぶっ,と一回寄り身をみせておいてから出し投げを打つ。白鵬ですら3秒で投げられてしまった。

どんな相手にも頭から当たる。入幕してきたときから変わらない。幕に入ってきたころは,負けても負けても,頭から当たる。もともとスピードのある力士なのでやろうと思えば,立ち合いの変化などはいとも簡単にできてしまう。しかし,そういうことはしない。こういう力士は強くなる,とむかしから言う。だから,わたしは早くから「安馬は強くなる」と公言してきた。その安馬が大関になった。

そして,しこ名を「日馬富士」(はるまふじ)と変えた。来場所からは,この新しいしこ名で大関として土俵に上がる。もう,すでに,先輩横綱白鵬と対等に闘えるだけの実力をつけている。今場所は上位の力士に一つも負けてはいない。だから,前半戦の取りこぼしさえなければ立派な優勝だった。来場所,前半戦を上手に勝ち進むと,全勝優勝が待っている。大いに期待したい。

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2008-11-28 「ピカソ展」に行ってきました。

_ このところ根を詰めて仕事をしていたので,少し息抜きが必要と思い,「ピカソ展」に行ってきた。

六本木の新国立美術館とサントリー美術館とで,同時に,「ピカソ展」が開催されている。ピカソ・ファンとしてはラッキーそのもの。カタログも合併号なので助かる。

さきに,駅に近いサントリー美術館に開館と同時に飛び込む。午前11時。小雨が降っていたせいか,それほどの人ではなかったが,途中から小学生,高校生の団体さんが入ってきて賑やかになる。それでも,スペースがたっぷりとあるので,そんなにうるさくはない。こちらは大きな絵を中心に展示してある。いつもながらの自由奔放な構図と色彩を鮮やかに組み合わせた,不思議な絵がたくさん並べてある。迫力満点である。

新国立美術館の方は,広い空間に所狭しと,たくさんの作品が展示してある。こちらは絵画だけではなく,彫刻やデッサン,メモなども展示されていて,ボリュームもたっぷり。作品に迫力があるので,あっという間に時間が過ぎ去っている。二つの美術館を見終えたときは,すでに6時間を経過していた。

帰りにカタログを買ってきたので,これから,また何回も見直すことになるだろう。これがまた楽しいことではある。分厚いカタログで,持って歩くのも面倒なほどのものである。値段は2,800円。いつも思うことだが,いまどき,オールカラーの本で,これだけのボリュームのある本の値段としては破格のものである。カタログは安い。

ピカソの絵をいまさらわたしのような者が論評することなどまったくの無用というものだろう。その点については,専門家のものを読んでもらえば,それでこと足りる。なので,ここではわたしが今回の「ピカソ展」から得た「ひらめき」のようなものを書き留めておきたいと思う。

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2008-11-29 ピカソ展のつづき。

_ 昨日の「ピカソ展」のつづきを書こう。昨夜はどうにもこらえきれない睡魔が襲ってきて,ブログを書くのを途中で断念。今夜はそのつづき。

大量のピカソの絵をみていて,ある種の感動をともなってわたしの意識にのぼってきたことは以下のとおり。

最初に思ったことは,限りなき「自由」の追求,ということ。近代絵画のいかなる様式からも「自由」でいたい,というピカソの強い欲求。だから,みずから生み出すあらゆる様式を組み立てては崩すという作業の繰り返し。つまり,立ち止まるということをしない。つねに,動いている。変化している。壊して壊して,もう,これ以上は壊しようがない,という極限に立ちながらなおも壊す作業に果敢に挑戦していく。その迫力が絵画となったり,彫刻となったり,あらゆる手段を弄して「自由な表現」を探究していく。そして,そのつどたどりつく「自由な表現」のさきにひろがっているものはなにか。それは,「人間」というものの「謎めいた存在」の,新しい発見。その発見という感動に出会うたびにピカソの絵筆はにわかに活動を開始する。だから,ピカソの絵筆はとどまるところを知らない。

これは,どこか原稿を書く仕事と限りなく似ている。そのレベルの違いはともかくとして,わたしのようなへぼな物書きにも,その作業の構造は,共感できる。文章も「感動」がないと書けない。どんなレベルの「感動」にしろ,それがあれば文章は書ける。いや,書きたくなる。その「感動」は,やはり,それまでの自分が気づかなかった新しい発見でなくてはならない。どんなささいなものでも,自分にとっての新しい発見があれば,少なからぬ「感動」をともなうものだ。文章を書きながら,つぎつぎに新しい未知なるものの発見がつづくと,「感動」はいやましに増し,文章にリズムが生まれ,テンポよく話題が進展していく。そこには「自由な表現」が待ち受けている。伸びやかな快感がともなう。

もう一つは,ピカソは,自分の眼に見えるもの,新たに見えてくるもの,こんなイメージ,というような,それまでどこかに隠れていたもの,あるいは,隠されていたものがひょっこり見えるようになった瞬間の「感動」をとことん追求していく。それ以外のものは多少どうでもいいのだ。だから,「潜在的なるものが顕在化する瞬間」を逃がさない。そこにだけ焦点を絞る。その焦点さえ生き生きと躍動してくれれば,あとのものはどうでもいいのだ。つまり,メインのモチーフを際立てて描くことができれば,あとはどうでもいいのである。

たとえば,こうだ。かれの描く人物像の中には,手の指が「6本」あるものが少なくない。あるいは,体躯の躍動感を強調するあまり,手足のさきがなくなってしまい,単なる「棒」になってしまっていて,「指なし」のものがこれも多くある。つまり,メインのモチーフが際立つように,思いっきり強調し,末端の細部は省略してしまう。その大胆さがすごい。ほとんどの細部を省略してしまって,単純な線だけで,からだの躍動感をみごとに表現してしまうことができる。

思い切った省略ができるということの背景には,人並みすぐれたデッサンの力がある。子どものころから写実のうまさは定評のあるところだ。しかも,徹底して写実を学ばされた(父親がバルセロナの美術学校の先生だった)。それも,当時の一流の先生のもとで。キュービズム時代のピカソしか知らない人は,ピカソの写実の上手さを知らない人もいる。いきなり,あんなわけのわからない絵を書きはじめているわけではなくて,精確無比なデッサンの修行を通過して,そののちに到達したピカソのまったく新しい境地なのだ。だから,絵の構図のバランスがいいし,躍動感がある。

これもまた,僣越ながら,わたしの文章修行に勇気を与えてくれる。原稿を書きはじめたころは,なにからなにまで精確に文章を書くことだけに専念していたが,いつのころからか,もっとも強調したいことを際立たせるために,省略という方法を身につける。しかし,足りないのは,新しい発見をともなったときの感動を表現する「力強さ」だ。ついつい体裁を整えることの方に力がそがれてしまう。つまり,理性に凭れかかってしまうのだ。もっと衝動的な力に突き動かされるような文章が書けないものか,とピカソの絵をみながら大いに反省。

というような次第で,ピカソの絵に感動しながら,いつのまにか自分の文章修行の方に意識が走っていく。そして,また,ふたたび絵に戻り・・・・という具合に,ピカソの絵のど迫力とわたしの文章のいたらなさとの間を,ゆきつもどりつ・・・。だから,時間があっという間に過ぎ去っていく。久しぶりに味わった「至福」のとき。

これからは『図録』を見るだけで,それらの生の体験が蘇ってくる。何回も何回もめくることになるだろう。やはり,『図録』は安い。

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2008-11-30 日曜日の新聞は「図書」コーナーが面白い。

_ 毎週,日曜日の新聞は,「図書」コーナーから読みはじめる。そして,いま,話題の本にどういうものがあるのかチェックする。これが日曜日の楽しみでもある。

今日の朝日は,スポーツ関係の本が多く紹介されている。最近は,小説もふくめて「スポーツもの」がやたらとブームになっているので,そんなに驚くことではない。しかし,朝日の書評として取り上げられるとなれば,ことはそんなに単純ではない。なぜ,人びとの読書習慣が「スポーツもの」に向かうのか,また,それを受けてそういう著者が増えるのか,やはり,慎重に分析する必要があるだろう。

今日,取り上げられたものを上げておくと,以下のとおり。

岡村正史著『力道山』人生は体当たり,ぶつかるだけだ,ミネルヴァ書房,2625円。この人は高校教師。高校時代からプロレスの熱烈なファンであったという。まっとうなスポーツでないからこそ「快感」があった,という。この人には,別に『知的プロレス論のすすめ』という著書がある,とのこと。

高橋安幸著『伝説のプロ野球選手に会いに行く』白夜書房,1600円。「偉大な10人の野球人が登場する。明治生まれは90歳近いのにTシャツにコットンパンツ。長髪を後ろで束ねている苅田久徳。」以下,西本幸雄,杉下茂,関根潤三,中西太,千葉茂,小鶴誠,稲尾和久,金田正一,とつづく。

加古里子著『伝承遊び考』(全4巻),小峰書店。第24回梓会出版文化賞。良質で個性的な出版活動をつづけている出版社の業績を顕彰するもの。

広告蘭をみると,こちらにも多くの「スポーツもの」が並んでいる。

北京オリンピックの年でもあったので,ことしはかなり広範な「スポーツもの」に手を出して,読んできた。それらをとおして感じていることなどもふくめて,きちんと「まとめ」をしておく必要があろう。いつか,そんなことができれば・・・。

_ ついでに,本の紹介を少々。

ル・クレジオの半自伝的小説『はじまりの時』上・下(ル・クレジオ著,村野美優訳,原書房,各2310円。人間存在の根底を問う記念碑的大作,とのこと。

ジュディス・バトラー著,佐藤嘉幸・清水知子訳『自分自身を説明すること』倫理的暴力の批判,月曜社,2625円。この著者は「権力がどのように主体を生産し,規定し,構造に従属させていくかを系譜的かつ批判的にたどる作業」を,たとえば,『ジェンダー・トラブル』という著作などをとおして行ってきている,とのこと。「集団的エートスが,個々人の個別性に応えることができないまま自らの普遍性を主張する場合,倫理は暴力と化す」というような書評の文章を読むと,これはスポーツ史やスポーツ文化論を展開する者としてはチェックを入れておかなければ・・・ということになろうか。

とりあえず,こんなところ。つぎからつぎへと読まなくては・・・と思わせられる本がでてくる。困ったものだ。

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