Diary


2008-08-03 猛暑と風車

_ 連日の猛暑はいつまでつづくのでしょうか。東京は朝から猛暑。もはや,どうしようもない暑さ。エアコンをつけないで,どこまで耐えられるか,じっと我慢。窓を開け放って,風を待つ。時折,涼しい風を送り込んできたかと思ったら,また,ぱたりと止まってしまう。じっと,身構えていると,どことなく風が吹いているようでもある。

そこで,もうかなり前に,会津若松を旅したときに買ってきた風車を窓に向けてセットしてみる。この風車がとてもよくできていて,ほんのわずかな風にもくるりと回転して反応する。からだに感じない風にも反応して,風が吹いていることを知らせてくれる。だから,くるりと一回転しただけでもなんとなく涼しくなったような気になるから不思議である。

この風車は会津若松の民芸品の店でみつけたもので,羽が二重になっている。つまり,風車が二つ前後にセットになっている。しかも,それぞれの風車の羽の向きが,前と後ろにあるものとでは反対になっているので,風車のまわり方は逆になる。お互いに逆回りなのに,風が吹くと,まるで競争するかのようにクルクルクル・・・とものすごい勢いで回りはじめる。ぼんやり眺めているだけで,なんともはや快感である。しかも,ただ風を受けているだけのからだよりも涼しいと感ずるから不思議だ。皮膚に感ずる風と,風車の回転のスピードを眺めている視覚をとおして感ずる風と,相乗効果がある,ということなのだろうか。

ついでに,風鈴も探してきてぶら下げてみる。こんどは音だ。これがまたなんともいえない快感なのだ。聴覚をとおして「涼」がからだのなかを駆けめぐる。人間のからだというものは,意外な構造と機能を兼ね備えているようだ。皮膚感覚と視覚と聴覚の三つを合わせると,まったく次元の違う涼しさが蘇ってくるから不思議だ。科学的な手法で計測すれば,それなりの数値は得られるのであろう。そして,ある数値をこえると人間は涼しいと感ずる,とかなんとか言って説明したつもりになる。しかし,実際に「涼」を感ずる人間にとっては,そんな数値はどうでもいい。風鈴の音がほんのわずかに,あるいは,かすかに「チリン」と鳴っただけで,わたしたちはなんともいえない安らぎをえることができる。科学ではとらえきれない,人間の感覚の世界のひろがりは無限というべきか。

暑さに抵抗して,エアコンをつけないで「涼」を得ようとして,たまたま出会った経験にすぎないが,ときには,やせ我慢をしてエアコンを止めておくのも,意外な出会いがあって結構なものではある。

でも,午前中だけ頑張ったけれども,とうとう耐えられなくなって,鷺沼の事務所に駆け込んで,エアコンのお世話になることに。このような経過をへてエアコンをつけると,ほんとうにエアコンというもののありがたみが身にしみてくる。なんともはや,文明の利器とは恐ろしや。でも,ありがたい分だけ,なにか大事なからだの感覚が遠ざかっていくのも事実。さてはて,そのあたりのバランスをどこでとっていくか。この21世紀に考えなくてはならない,小さいながらも大きな問題。

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2008-08-09 安曇野展・黒部ダム・五竜岳,など。

_ ブログをご無沙汰してしまいましたが,病気をしていたわけではありません。前に,ブログが途切れたときに,病気をしていたのでは?と心配されたことがありますので,そうではない,という身の証をこれからしてみたいと思います。

8月4日(月)は,柏木裕美さんの安曇野能面展にでかけました。関西から,バスクの友人(3人)もやってきて合流。夜は,柏木さんを囲んで宴会。国際交流を兼ねた,とても楽しいひとときでした。バスクの友人たちは,柏木さんの話に,熱心に耳を傾けていました。われわれも大変よい勉強をすることができました。もちろん,身体論の勉強です。

8月5日(火)は,もう一度,能面展を見せていただいて,お別れのご挨拶をすませ,黒部ダムの見学に。わたしの頭のなかでは,立山連峰の麓に黒部ダムがあると思っていたので,こんなに簡単に安曇野から行けるとは思ってもいませんでした。トンネルを抜けるとそこはダムだった・・・・。しかも,とてつもない景観に圧倒されて,しばし呆然としてしまいました。

8月6日(水)は,五竜岳の手前のケルンまでゴンドラとリフトを乗り継いで,北アルプスの景観を楽しんできました。天気は朝のうちは雲が低く垂れ込めていましたが,われわれがゴンドラに乗るころから低い雲が消えてくれ,ケルンも肉眼でみえてきました。そのめざすケルンに到着したときには,となりの稜線の最高峰である唐松岳の頂上も雲間に顔をみせてくれました。感動の一瞬でした。それから一路,車で東京へ。わたしの事務所のある鷺沼にバスクの友人3人を案内。初めての宿泊客となってもらいました。

8月7日(木)は,わたしは事務所で仕事。バスクの友人たちは月嶋君の案内で東京見物。はとバスで,東京タワー,靖国神社,明治神宮,などを巡ってきたそうです。夜は,買い出しをしてきて,鷺沼の事務所でドリンキング・パーティ。途中から熱が入ってしまって,とうとう本邦初の「キリスト教の<外>にでるとはどういうことか」というレクチュアまでしてしまいました。かれらが疲れ切っているのも承知で。悪いことをしてしまいました。が,バスクの友人たちは,まことに真剣に話に耳を傾けてくれました。

8月8日(金)も,わたしは事務所で仕事。バスクの友人たちと月嶋君は寺島君と新宿で合流して,秋葉原,浅草,お台場,などを楽しんできたとのこと。感想を聞いてみたら,やはり,満員電車がもっとも強烈な印象を残したようです。「信じられない」を連発していました。この日の夜も,買い出しをしてきて,寺島君も加わって合計6人でドリンキング・パーティ。最後の夜を心ゆくまで楽しんでもらいました。

8月9日(土)は,バスクの友人たちとお別れ。午前中の新幹線で名古屋に向かいました。いまごろは犬山で鵜飼を楽しんでいることでしょう。毎日,密度の濃い時間を過ごしていますので,バスクの友人たちも大変だと思います。わたしは適当に手抜き・息抜きをしていますので,きわめて元気。記憶の新しいうちに・・・と,バスクの友人たちとともに過ごした時間の中味を,端から記録することに専念しています。今日も一日,パソコンとにらめっこしながら,書いて,書いて,書きまくっていました。これこそが文章を書く練習だと思いながら・・・。

以上が,4日から今日までの,主な足取りです。

身心ともにきわめてよい状態でいますので,ご安心ください。

明日からも頑張るぞう,と声に出したいほど元気です。

取り急ぎ,ご報告まで。

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2008-08-10 北京体育大学は一年間,お休み。

_ テレビがないので,新聞を3紙,買ってきて読み比べている。家で定期講読しているものを含めると4紙になる。朝日,読売,毎日,日経。これらを事務所の床(板の間)に四方に全部ひろげ,その真ん中に座って,一ページずつめくっていく。これは圧巻である。

どの新聞も,9日の朝には第1面に北京オリンピックの開会式の写真を掲載した。写真の内容は異なるものの,マスゲームを取り上げた点では同じだった。それだけの迫力があった,ということなのだろう。

そのマスゲームに参加している人たちの顔をよくみると,ほぼ,同じような年齢にみえる。よくよくみると,頭髪の刈り方まで,よく似ている。少なくとも,頭髪の裾の方の長さはほとんど同じである。いかにも中国らしい,というべきか。

テレビをみた人の感想をきくと,とてもよく訓練されていて,みごとな演出と演技だったという。それを聞いて,ふと,妙なことを思い出した。

それは,北京体育大学は,昨年の秋から授業はお休みにして(一年前倒しにして授業を終えて),学生さんはみんなオリンピックを成功させるために全員がなんらかの形で協力,参加,支援することになっている,というのである。だとすると,各新聞社の記者たちの目を釘付けにしたマスゲームの主役たちは,北京体育大学の学生さんたちだった,のかもしれない。ほぼ,一年がかりで準備して取り組んだとすれば,それはそれはみごとなマスゲームであったに違いない。あとで,映像を確かめてみたいと思う。もちろん,北京体育大学以外の体育大学の学生さんたちも,開会式の演技には参加していることだろう。つまり,単なる若者たちだけの集団ではなくて,ある意味では専門家の卵たちを訓練して,その人たちが大勢,力を合わせて開会式を盛り上げていたのであろう。

このことの是非をとやかく言うつもりは毛頭ない。それよりなにより,こういうことができるということが,いかにも中国らしい,ということだ。そして,これほどまでに,オリンピックを成功させるために,国を挙げて,まなじりを決して,真剣に取り組んでいる,という事実に注目したい。

そのことは,さきに挙げた4紙が,口を揃えて指摘した「中国100年の夢の実現」であったことを証明している。この表現には深い意味がある。残念ながら,説明をはじめると長くなるので割愛するが,わたしたちはオリンピックを,そんな風には考えてもいない。もっと気楽に楽しもうと思っている。しかし,中国の指導部や国民は違う。その意識の落差が,これからどのような形で展開していくのか,4紙を見比べながら,注目していきたいと思う。 

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2008-08-11 老子の『道徳経』の読解について。

_ ある必要が生じて,朝から老子の『道徳経』を読み直している。家にある翻訳だけでも20冊をこえる。さて,どれとどれを読み比べようかなと迷ったあげくに,手にとったのは小川環樹訳の『老子』(中公文庫)。

最近では,とんでもない「意訳」本も出回っていて,いまや,なんでもありの読み方が大流行している。本屋に行っても平積みになっていて,おやおやと思う。最近,ちょっと時代の雰囲気が変わりつつあるように思う。いくらかまともな方向に向かいつつあるということなのだろうか。それとも,単に,将来に向けての夢が描けない,というだけの話なのか。それにしても,いくらか固い本が売れはじめているという。

さて,本題にもどって,この小川環樹訳がまた素晴らしくよくできていて,冒頭の第一章から,これまでとはまったく違う意味の深さがみえてきて,いささか青くなっている。まずは,小川環樹の読みくだし文を引用してから,現代語訳を引いてみることにしよう。第一章の有名な文章。

_ 道(みち)の道(い)う可(べ)きは,常(つね)の道に非(あら)ず。名の名づく可きは,常の名に非ず。名無きは,天地の始めにして,名有るは,万物の母なり。故(まこと)に「常に欲無きもの,以(もつ)て其(そ)の妙(みょう)を観(み),常に欲有るもの,以て其のキョウを観る」。此(こ)の両(ふた)つの者は,同じきより出(い)でたるも而(しか)も名を異(こと)にす。同じきものは之(これ)を玄と謂(い)う。玄の又(また)玄,衆妙の門なり。

_ 「道」が語りうるものであれば,それは不変の「道」ではない。「名」が名づけうるものであれば,それは不変の「名」ではない。天と地が出現したのは「無名」(名づけえないもの)からであった。「有名」(名づけうるもの)は,万物の(それぞれを育てる)母にすぎない。まことに「永久に欲望から解放されているもののみが『妙』(かくされた本質)をみることができ,決して欲望から解放されないものは,『キョウ』(その結果)だけしかみることができない」のだ。この二つは同じもの(鋳型)から出てくるが,それにもかかわらず名を異にする。この同じものを,(われわれは)「玄」(神秘)とよぶ。(いやむしろ)「玄」よりもいっそう見えにくいもの(というべきであろう。それは),あらゆる「妙」が出てくる門である。

_ 「キョウ」という文字が,残念ながら,わたしのパソコンではでてこない。「檄」の木偏が行人偏になった文字である。

さて,この現代語訳が,なかなか意味深なところがあって,考え込んでしまっている。こんなことは久しぶりである。

もちろん,考え込んでいるのは「・・・・」のなかの現代語訳から敷衍する問題系をどこまで拡大することが可能か,ということだ。念頭にあるのは,太極拳。その極意にかかわる問題。

今夜はこの問題を考えることにしよう。

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2008-08-12 老子『道徳経』第1章

_ 昨日のつづき。いろいろ考えているうちに,自分に納得のいく「意訳」を試みてみようという気になり,挑戦してみました。

第1章

〔原文〕

道可道、非常道、名可名、非常名、無名、天地之始、有名、万物之母、故常無欲、以観其妙、常有欲、以観其キョウ、此両者、同出而異名、同謂之玄、衆妙之門、

_ 〔意訳〕

もし,「道」というものが説明できるものであるとしたら,それは永久不変の,真実の「道」ではない。つまり,「道」というものはことばに置き換えることのできないものなのだ。「名」もまた名前をつけることができるものであるとしたら,それもまた永久不変の,ほんとうの「名」ではない。つまり,「名」というものは仮の名前にすぎないものなのだ。天と地が現れたのは「名づけることのできないもの」から、すなわち「無名」からであった。つまり,天と地にも,最初は名前はなかったのだ。しかし,名前をつけることによって、そのものの概念が定まり,共通の理解をえることができるようになったのだ。だから,「名づけることのできるもの」,すなわち「有名」は,あよゆる物を育てる母にすぎない,ということになる。ここから,また,新たな「欲望」というものが立ち現れ,わたしたちのものごとをみる目を狂わせてしまう。したがって,「ほんとうに欲望から解き放たれた者のみが『妙』(かくされた本質)をみることができるのであって,欲望にとらわれている者はどんなことがあっても『キョウ』(その結果)しかみることができない」のだ。この「妙」と「キョウ」の二つは,もともとの出所は同じであるけれども,名は違う。このもともとの出所のことを,われわれは「玄」(神秘)と呼ぶ。もっと厳密にいえば,「玄」(神秘)よりももっと「見えにくいもの」というべきだろう。つまり,もともとの出所は,ほんとうにぼんやりしていて,はっきりとは見えないもの,なのだ。しかも,そここそが,あらゆる「妙」(かくされた本質)が立ち現れてくる「門」なのである。しかも,その「門」には構えがなく,360度,あらゆる方向を向いている。だから,「妙」(かくされた本質)はどこからでもやってくる。

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2008-08-14 老子『道徳経』第1章の読解

_ 昨日のつづき。老子『道徳経』第1章の自己流読解について,メモしたことがらを整理しておきたいと思います。

この意訳文に到達するまでにわたしの脳裏をよぎっていったものは,西田幾多郎の「実在」の考え方であり,その背景をなしている禅の「無」であり,龍樹の「空」の考え方である。同時に,『老子化胡経』(仏教は老子に帰すと主張する経典)の存在も意識して,仏教との近似性をも視野に入れる。老子のいう「玄」は,ここでは小川環樹のいう「神秘」という解釈をとった。が,一般的には「混沌」とされる。この説にしたがえば,「混沌のまた混沌」,ありるいは,「混沌のもっともっと混沌としたもの」(「玄之又玄」)ということを突き詰めていくと,おそらく「つかみどころのない,ぼんやりとしたもの」「はっきりとは見えないもの」となっていく。そして,さらに「玄之又玄」を繰り返していくと,そのさきにはなぜか澄みきった「透明な世界」のイメージがわたしの脳裏に浮かび上がってくる。つまり,「無」や「空」と同じところに到達する。そここそが「実在」の「場」であると西田は考える。ここはことばで説明することはできない,とつとに歴代の禅僧たちは説いている。老子のいう「道」と同じである。

西田はこれらの「無」「空」「道」「玄」の概念を西洋の哲学(すなわち,形而上学)のことばで説明すべく全力を傾ける。そして,「実在」をてがかりにして,「場所の論理」「行為的直観」「絶対矛盾的自己同一」へと思考を進化させている。その世界と,ジョルジュ・バタイユのいう「非−知」(ノン・サヴォワール)とは,とても近いとわたしは考えている。たとえば,バタイユのいう「エクスターズ」(恍惚)と「絶対矛盾的自己同一」との違いは,無神論の立場に立つ「神無きエクスターズ」か,それとも禅仏教の説く「禅定」の境地に立つ「恍惚」か,でしかない。しかも,そここそ老子のいう「玄」であり,「衆妙之門」となる。

そこには,しかし,自己は存在していない。自己が立ち現れるのは「他者からの働きかけ」による。この自己が立ち現れる瞬間を,ジャン=リュック・ナンシーは「パルタージュ」という概念をもちいて説明する。すなわち,他者との「接触」による「分割/分有」という現象についてである。ここがまた,老子の説く「衆妙之門」ともつながっていく。つまり,自己もなにもない存在から他者との「接触」をとおして自己が立ち現れるこの瞬間こそが「衆妙之門」とつながっていく。このとき,「欲望」が問題となる。この「欲望」との距離に応じて,「妙」にいたるか,それとも「キョウ」に傾くか,という問題が生まれてくる。

「大道無門」ということばがある。一般的には,「大きな道には門はない」(入り口にこだわるな),すなわち,「芸能や芸道で大成するには自由自在に智慧をはたらかせてあらゆる方法を用いよ,となろうか。あるいは,「大道」とは「大きな道」,すなわち,「大きなタオ」。そこには「門」(入り口)は建てようがない。そのような境地に到達することこそが「衆妙之門」か。

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2008-08-15 ことしの猛暑はいつまでつづく。

_ いやはや,連日の猛暑に,そろそろいいのでは・・・・,と天の神さまにお伺いを立てたくなる。ことしの猛暑は近年,まれにみる猛暑。そろそろ体力温存の秘術をほどこす必要がありそうだ。

とにかく雨が少ない。もっと夕立がくるとか,通り雨がくるとか,雷が鳴るとか,雨を降らせてほしい。降れば土砂降り,では困る。この文章を書きながら,そういえば英作文の例題にこんなのがあったなぁ,と高校時代を思い出す。記憶がとんでもないところまで飛躍してしまうほどに,こちらの脳髄も猛暑にやられてしまったか。

あちこちダムの水が底をつきはじめている,と新聞に小さく載っている。新聞はどこを開いてもオリンピック情報が満載。まるで,スポーツ新聞を読んでいるかと錯覚を起こす。オリンピック漬けになっているということは,その分,世界の重要なニュースが排除されているということだ。なにもかも,オリンピックに制圧されてしまっている。

それに追い打ちをかけているのが,甲子園野球。日本の新聞は,いま,スポーツしか報道していないのではないか,と心配になってくる。

でも,ロシアが開会式に合わせたかのように,戦闘を開始したことだけは,きちんと報道された。しかも,大きく。これだけは,いまも継続して報道されているので,じっと,その推移を見守ることができる。しかし,この報道も,よくよく読んでいると,新聞社の姿勢が揺れ動いているのがわかる。いつでもそうだが,どこを起点にして,戦闘開始と呼ぶのか,そこが問題だ。

暑さにやられた脳髄は,もう,支離滅裂だ。

この辺で終わりにしておこう。

明日はいくらか涼しくなってくれることを祈りつつ。

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2008-08-16 オリンピックの使命は終わった?

_ オリンピックのことは,ブログでは書かない,と決めていたが,そうも行かなくなってきたのでちょっとだけ書く。

連日,新聞は第一面まで使って大きく報道している。それなりにドラマは生まれていて,読んでいて楽しい。しかし,どこかで違うよなぁ,と冷やかな感情もちらりと顔を出す。なぜだろうか,と考える。

一つは,日本選手の活躍しか書かない新聞のせいだ。外国人選手の活躍がほとんど伝わってこない。それは,女子バレー・ボールの国際試合に映し出されるテレビの映像と同じだ。日本チームにしか目を向けていない。オリンピックの新聞報道も同じだ。だから,記事が薄っぺらい。読み物としての厚みガない。新聞記者のトレーニング不足。外国人選手に取材をするだけの力量がない・・・というべきか。あるいは,スポーツを理解している記者が少ない,ということか。それとも,デスクが認識不足か。いずれにしても,どこか間が抜けている。日本選手の活躍だけがクローズアップされて話題になっている。いまさら,ナショナリズムでもなかろう。中国ではあるまいし・・・・。

二つには,ロシアの活躍がみられない。メダル獲得数をアメリカと二分していた,かつての勢いはまるでない。それもそのはずだ。わざわざ開会式に合わせるようにして,グルジアに戦闘を開始した。オリンピックよりも「戦闘」を優先させた。もはや,オリンピックなど,どうでもいいのである。

三つめは,フランスもまた,オリンピック熱が冷めてしまったこと。クーベルタンも,それでいいよ,と言っているように思う。かれが思い描いたオリンピックは,1924年のパリ大会ですら,「まったく違う方向に行ってしまった」と嘆いたくらいだから。どう考えてみても,オリンピックのために選手強化をしているとは思えない。それでいいのだが・・・・。

もう一つは,アメリカ。これまでの貯金で,なんとか体面を保ってはいるが,かつてのようなオリンピックに寄せる気迫は感じられない。お家芸ともいうべき野球も,バスケットボールも国内リーグを優先させた。そのために,日本の野球もドリーム・チームを組むことはできなかった。松坂もイチローも城島も呼び戻すことはできなかった。

つまり,オリンピックのサッカーが二番煎じとなってしまったように,もはや,オリンピックがスポーツの最高の舞台ではなくなってしまった,ということ。とうのむかしに,各競技種目別のワールド・カップにその人気を奪われている。サッカーはその典型だ。それでいいのではないか,とすら思う。

ということは,そろそろオリンピック・ムーブメントも店じまいの時期を迎えているということ。この点については,一度,きちんとした総括をしてみたいと思う。

IOCのやっていることも,内実がわかってくればくるほど,馬鹿馬鹿しくなってくる。国際政治や経済の素人集団が,国家を越えた,超国家主義,あるいは,国際主義を理想に世界の平和運動を展開しよう,などという夢をいまも追い求めつづけている。そんなことは,こんどの北京とIOCとの8年前の約束が,まったく無視されたことによって明々白々となったではないか。

内実がまったくわからないにもかかわらず,人権問題はますます悪化の一途をたどっているとしかいいようのない印象が,ますます強くなってくる。真実を知りたくてもその方法がない。第一,取材をさせない。中国国内の新聞社ですら,国営の数紙を除いて,すべてアウトである。こういう徹底した情報管理が一党独裁の国家のもとで行われているのに,IOCはなにも注文をつけていない。それは違うだろう,と思う。

こんどの北京オリンピックは,これまでのオリンピック・ムーブメントとはまったく異なる,新しい時代への幕開けというべきか。それが吉とでるのか,凶とでるのか,もう,しばらく見届けてみたいと思う。

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2008-08-18 『オリンピック全大会』を読む。

_ 武田薫著『オリンピック全大会』人と時代と夢の物語(朝日新聞社刊,2008年)を読む。ちょうどこの時期でもあり,おさらいをしておくにはいいか,と考えて読んでみた。よかったことが3割,がっかりしたことが5割,許せないことが2割,これが正直な感想。

まず,よかったこと。新聞記者あがりのスポーツ・ライターだけあって,現場の情報に詳しい。とくに,最近のオリンピックで,自分で取材をしたと思われる部分はなかなかの秀逸。学ぶべき点が多々あった。

つぎに,がっかりしたこと。おなじみの話が多く,いつものワンパターン化した有名選手の物語を繰り返していること。もう少し違った角度から光を当てて,新鮮味をだすという工夫がほしかった。

さいごに,許せないこと。歴史認識が甘くて,恣意的な歴史解釈が多すぎる。もっと言ってしまえば,歴史がわかっていない。たとえば,ヒトラーとオーエンスはお互いに気持ちが通じ合っていた・・・というようなことを平気で言う。その根拠に,オーエンスの書き残したメモによると・・・,という調子である。いかにも,もっともらしいだけに腹が立ってくる。では,なぜ,オーエンスが優勝したのを見届けて,さっさとヒトラーは帰ってしまったのか。もっとも,ヒトラーは議会の仕事のために帰ったのだ,という弁護をした小説家もいたが・・・・(『オリンピアの森』の作者・沢木耕太郎。かつて,全3巻の予定で出した第1巻に,そのような弁護をして,しかも,ヒトラー擁護の描写がつづいていたので,わたしは岩波の雑誌『世界』で強い口調で批判。第2巻以後の内容を見届けたい,と書いた。それっきり,第2巻も第3巻もでていない)。これに類する勝手な歴史認識や誤認が,意外に多く目につく。朝日新聞社には「校閲」の部局がないのだろうか。新潮社の「校閲」はきびしいので有名だが・・・。新聞社だから,それに匹敵するくらい「校閲」がきびしいだろう,とわたしなどは推測していたのだが・・・・。こんな調子では,新聞記事もまた「校閲」が甘いのでは・・・?と疑いたくなってくる。

武田薫はスポーツ・ライターとしては,まずまずの人だと思っていたが,歴史認識に関しては素人に近い。以後,要注意。

この本は,学生たちに読ませて,「誤りを見つけ出して,その反論を展開せよ」というレポートのテーマには絶好のテクストと言ってよい。

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2008-08-22 『暴力はどこからきたか』を読む。

_ 『暴力はどこからきたか』――人間性の起源を探る

山極寿一著,NHKブックス,2007年12月刊。

_ もう何年か前に,ゴリラと会話ができる研究者としてテレビで放映された記憶が,わたしのなかに鮮明にある。しかし,この人の書いたもを読んだことがなかった。今回が初めてである。調べてみたら,すでに,かなり多くの一般読者向けの本を書いていることがわかり,不勉強を恥じるしかない。

このテクストを書店でみつけ,呼んでみようとこころが動いた理由は,いうまでもなく「暴力」の謎解きのヒントが得られそうだ,という直観がはたらいたからだ。そして,その直観はみごとに的中した。しかも,予想以上の,とてつもなく大きな収穫だった。このテクストが示唆していることは,しっかりとノートをとって整理しておく必要がある。なぜなら,そこから「スポーツと暴力」の問題を考えるヒントが無尽蔵に隠されている,とこれまた直観するからだ。

それよりもなによりも,もっとも大きな関心事である「人間とはなにか」という根源的な問いを著者がみずらか発しつつ,その答えを導き出そうとしている,その姿勢につよく惹かれる。たとえば,人間性の起源について,霊長類の進化の過程や,最新の霊長類の生態観察の成果をとおして,微に入り細にわたって仮説を展開している。でも,まだまだ謎だらけである。にもかかわらず,わたしたち一人ひとりに考える根拠を与えてくれる。それが,わたしの場合には,人間がスポーツという文化をとおして「暴力」の問題をどのようにコントロールしてきたか,ということを考える根拠を提示してくれる。そこが,とてもありがたい。

少しだけ内容に踏み込んでおくと,以下のようになろうか。

たとえば,長い間の狩猟生活をとおしてヒトは無意識のうちに「戦闘能力」を身につけてしまったことが,こんにちの「戦争」の根源にある,とするこれまでの仮説に対して,それは間違っている,という根拠をきちんと提示してくれる。そして,ヒトの争いごとの起源は「食」と「性」の二つだ,ということを長年の霊長類の生態観察をとおして,説得力のある仮説を提示してくれる。つまりは,ヒトとしての「生存競争」にある,と。そして,さらに,この「食」と「性」が,きわめて微妙に絡み合いつつ,さまざまな類としての生態を構築している姿を,一つひとつ具体的な例をあげながら説明してくれる。

「食」と「性」の二つだ,といわれてわたしの脳裏に真っ先に浮かぶことは,日本の祭の原風景である。なぜなら,「五穀豊穣」と「子孫繁栄」のこの二つが,日本の祭の最大公約数であるからだ。つまり,祭の儀礼としてこの二つが重視され,こんにちにいたるまで伝承されてきたということは,古代のまつりごと,すなわち,古代の政治においてもこの二つがいかに重視されていたかということが類推できるからである。しかも,そのための祭祀儀礼をとおして,日本のスポーツ文化の重要な部分が形成されてきたことは,すでに周知のとおりである。そして,重要なことは,祭祀儀礼をとおして「暴力」がどのような理由で排除されたり,容認されたりしてきたか,ということを考えることだろう。そういう視点を,それはほんの一部にすぎないが,このテクストは随所で提示してくれる。

著者の山極さんは,きわめて冷静に,しかし強烈なメッセージをここかしこに書き残している。その一部を書き写しておくと以下のようである。

「自分たちの文化や生活を脅かす者たちは徹底的に排除され,あわよくば他の文化に生きる人々にも自分たちの文化を押しつけようとする。それができなければ外敵や無法者として扱い,抵抗すればときには抹殺の対象にしてしまう。今世界で起こっている悲劇は,人間以外の動物には見られない不思議な敵意の産物なのである。」

「類人猿と進化の道を分けてから,人類が大きな成功を収める原動力になった能力が,今人間に絶滅の危機をもたらしている。それは集団の力である。家族と集団を同時に編成できる能力をもった人間は,他者に依存して生活できる世界を作り上げた。しかし,その他者は今や名前も顔もない架空の人になってしまった。独りでは生きられないことを誰もが知りつつ,誰に頼って生きているのかわからない。そんな中で自分探しの空虚な旅を続けているのが現代の人間なのだ。」

この味わい深い文章を熟読玩味しながら,わたしの想像力はフル回転し,研究のためのヒントがつぎつぎに浮かび上がってくる。至福の時である。

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2008-08-26 奈良方面に旅行。

_ 8月23・24・25日の三日間,奈良方面を旅行してきました。久しぶりのわたしの休暇でした。

23日は洞川に一泊。天川村の弁天社(芸能の神さまで,年に一度の大祭には全国から芸能人が集まってくることで有名)を訪ねるのが,わたしの最大の目的でした。思ったよりも地味な感じの神社でした。が,なかなか趣のある雰囲気があって,なるほどなぁ,と感ずるものもたくさんありました。

この会は,奈良教育大学の卒業生たちの集まりで,この学年は毎年1回,こういう会を開いてみんなで旧交を温めています。学生時代からみんな仲良しで,粒揃いの学年でした。ことしで奈良教育大学入学以来,20周年だとのことでした。みんなそれぞれに成長していて,将来がとても楽しみです。みんな人柄がいいので,一緒にいるととても安らぎます。だから,夜は午前3時まで盛り上がっていました。

翌24日には,橿原神宮前駅で解散。そのあと,近くに住んでいる卒業生さんを呼び出して,千塚古墳群と一言主神社と高天彦神社(高天ヶ原の伝承がある)を車で案内してもらいました。これがまた強烈な印象を残しました。いつか,このときの印象を書いてみたいと思います。夜は,この卒業生さんと午前2時まで。

25日は,さすがにボーっとした頭で新幹線にのり,ぐっする眠って帰ってきました。が,これがまた,小田原付近で集中豪雨があったとかで,新幹線のダイヤが大幅に乱れていて,新横浜に90分遅れの到着でした。お蔭で,たくさん眠ることができました。怪我の功名。

今日から,いよいよ,今月末締め切りの原稿の最終チェックにとりかかる。これがなんと三つある。それっ,頑張れ,とみずから発破をかける。今日は気合いを入れたわりにははかどらず・・・・。明日に期待しよう。

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2008-08-28 ペシャワール会の衝撃

_ パキスタンのペシャワール市に拠点をおき,医療活動をはじめ,灌漑工事をしながら荒れ地を農地に変える活動を展開し,病気を治し,食糧を確保することをめざしてすでに20年間の実績をもつNGO法人が,とうとうタリバーンから「NO」を突きつけられた。ショックである。

数年前,西谷修さんが仕掛けたシンポジウムに「ペシャワール会」の人が参加して,現地報告と問題提起をしたことがあった。わたしは,その時,初めて「ペシャワール会」の名前を知り,その活動内容を知った。日本にも,こんな高い志をもって,しかも,命懸けで,困っている人たちを救おうとする人びとがいる,と感銘すら受けた。現地住民からも信頼され,愛されてすらいる人びとですら,立場が違うと邪魔者となる。

タリバーンは,「すべての民主主義は反イスラム的である」,だから「すべての外国軍は国外にでていけ」という。このことばの前で,わたしはフリーズしてしまう。「善なる行為」も立場が違えば,恐るべき「暴力」となる。その根源にあるものは「宗教」である。まったく相対立する一神教が,互いに「正義」を主張するのだから,どちらも正しいし,どちらも間違っている。あとは,武力にたよる以外にない。

多国籍軍という圧倒的武力を背景に秩序回復をめざす勢力と,わずかな武器を頼りにゲリラ戦術やテロに頼るしかないテロリスト集団との,終わることのない戦いがつづく。しかも,泥沼化すればするほど,テロリストが勢力を盛り返してくる。アフガニスタンはもはや手がつけられない無秩序状態にもどってしまっている,という。

むかしからの部族社会を,キリスト教的民主主義によって支配し,新秩序を構築しようという「国際社会」という名の「正義」の胡散臭さがますます強くなってくる。かく申すわたしは,まぎれもなく「国際社会」の側に組み込まれている。そのことを自覚すればするほど,なんともはや自分の居場所がなくなってしまう。かくなる上は,どこかで小さな声をあげるしかない。このブログを書くことは,その手始めにすぎないが・・・・。

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2008-08-29 原稿の推敲と格闘

_ 2003年の北方文化フォーラムを皮切りに,西谷修,今福龍太の両氏と4回にわたるシンポジウムを重ねたものを一つに束ねて,一冊の本にしようという企画がいま進行中。今月末が原稿の締め切り。

もう残り時間がないので,いま,必死になって,最終原稿の推敲と脚注づくりに取り組んでいる。ところが,推敲と脚注をつけるという本来の目的を忘れてしまって,気がつけば,夢中になって読んでいる。つまり,著者の立場を忘れて読者になりきってしまっている。だから,少しも仕事ははかどらない。でも,内容が面白いからいけないのであって,わたしが悪いのではない,などと半分あきらめながら仕事をつづけている。

自分の話している内容は,この程度のものかと不満がないわけではない。でも,いまから文章をいじりはじめると,シンポジウムの全体とのバランスが壊れてしまう恐れがあるので,おいそれと直すわけにもいかない。だから,できるだけ,読みやすいように文章を直す程度にとどめる。ところどころに,お二人の話に引き寄せられるようにして,わたしなりに新しい発見を語っているところがある。こういう場面にでくわすと,ありがたいことだと思う。まるで道場で鍛えられているようだ。

自分の発言の部分の手直しが終わって,お二人の発言に入ると,とたんに夢中になって読みふけっている。これが,いまさらながら,まったく新しい話として読めるから凄い。内容が少しも古くなっていないのだ。しかも,とてつもない発想の思考がつぎからつぎへとつづく。何回,読んでも興奮を覚える。こういう発想は,わたしなどにはとても不可能に近い。

たとえば,今福さんの発想のしなやかさはどこからくるものなのだろうか,と

考え込んでしまう。正直にいえば,意表をつかれる。わたしの発言に対しても,みごとに論理の脆弱さを指摘してくれている。その上で持論を展開される。それは,ひとことで言ってしまえば,「近代の<外>」からの発想。しかも,人類学者としてのスタンスをしっかりと確保しながら。

あるいは,西谷さんの変幻自在の思考の応答。どんな話題にも,そして,いかなる角度からも,臨機応変に対応できる,これまでの思考の蓄積。この人の頭の中を覗き見したくなる。やはり,思想・哲学の深い洞察力から生まれる発想の豊かさが,この人の武器になっている。わかりきったことではあるが,そういう武器をもつことがなにより先決であることを,いやというほどわからせてくれる。それでいて,ややこしい論理を展開しているわけではない。

わたしは直球しか投げられない初心者のピッチャー。すなわち,スポーツ史という立場からの話題のみ。今福さんは,どんなボールでもお好みに応じて投げ分けることのできるベテランのピッチャー。だから,つねに打者の意表をつくボールを投げ分けてくる。そして,まったく新しい知の地平を切り開いていくための,驚くべき話題を提供してくれる。西谷さんは,二人の話題をうまく受け止めて,それらをうまく繋ぎ合わせて,まったく新しい料理を即興でつくりだす名コックさん。だから,わたしと今福さんが,どんな話題を語ろうともすべてOK。それらを食材にして,美味しいご馳走に仕上げてくれる。

こんなことに感動しながらの推敲作業と脚注づくりは,遅々として進まない。そして,ついには,ノートを取りはじめる始末。

この本は面白い本になるぞ,と著者の一人のはずのわたしが胸はずませている。乞う,ご期待!

順調にいけば,11月刊行の予定。

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2008-08-30 「透明な身体」について

_ 「透明な身体」「透けてみえてしまう身体」,これらの用語は今福龍太氏が2004年の「北方文化フォーラム」(札幌大学)で初めて提起したものである。

このときの文脈では,アテネ・オリンピックの選手たちの「身体」は,みんな規格品のようによく鍛えられた,ワン・パターン化したものばかりで,そこからは謎めいた身体が発する異様さ,豊穣さはまったく感じられず,ただひたすれロポットのように機械的なパフォーマンスが繰り出されるだけで,なんの面白みもなくなってしまった,というような意味で用いられていた。

いま,ゲラの校正をしていて,ふたたび,今福さんのこの表現をしっかりと噛みしめながら読んでいたら,さまざまなイメージが浮かんできた。そして,この概念はこれからいろいろの場面で用いることができそうだ。

たとえば,「体操」。ヨーロッパ近代に編み出された近代的で,合理的な体操によってつくり出される身体は,まさに,この「透明な身体」そのもの。解剖学や幾何学にもとづいて構成された体操は,一点のくもりもない,すぐれて科学的合理主義によって支えられている。だから,そこに現出する身体は,予想どおりの身体であり,計算どおりの身体である。まさに,近代の産物である。その身体は,前近代の身体のような叛乱を起こすような身体ではない。きちんと理性によってコントロールされる,従順な身体である。

それに引き換え,インド南部に伝承されているカラリパヤットの体操は,ヨーロッパ近代のそれとはまったく異なる。カラリパヤットの体操は,すべて,動物の動きを模倣したものばかりである。つまり,人間の身体のまま,動物の運動を真似するわけである。言ってしまえば,動物の動きをお手本にして,そっくりそれを真似るのである。そして,その動物の動きにより似ていることをもって良しとする。ここには,なんの科学的根拠もない。そこから生み出される身体は,理性のコントロールの「外」にある。したがって,いつ,いかなるときに,どのような動き方をはじめるかは保証の限りではない。つまり,いつ,理性に対して叛乱を起こすかは予測ができない。これは「不透明な身体」であり,今福さん流にいえば,「豊穣な身体」ということになろう。

今福さんの仕掛けた戦略は,ヨーロッパ近代の身体を切り崩すための,まったく異なる身体の拠点を明確にすることである。その一つの概念装置として「透明な身体」を持ち出したわけだ。だから,それに対抗する「不透明な身体」のモデルと,その理論的根拠を明確にすること,これが必要なのだ。

わたしが,かつて,雑誌『体育科教育』(大修館書店)に連載した「もう一つの身体」もまた,同じ発想にもとづく。つまり,科学的な論理的整合性からはみ出してしまう「もう一つの身体」,すなわち「不透明な身体」。

こんなことを考えながら,原稿の推敲をしているのだから,能率が上がるわけがない。あと一日。頑張らなくては・・・・。

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2008-08-31 大分県教委の愚策

_ 世の中開いた口がふさがらない・・・ということが多すぎる。社会保険庁の転記ミスの処理について,舛添大臣は「これは犯罪行為である。したがって,とことん調査をして犯罪者を断罪する」と大見得を切ったのに,いまは,知らぬ勘兵衛。

と思っていたら,こんどは大分県教委の愚策。試験の答案に上乗せ点をして合格者を入れ換えていた,なんて話はどこの県教委も叩けばかならずでてくる話。大分県は氷山の一角。だから,バレた以上は,しかるべき人から順番に責任をとってもらう。これが筋だ。

まず首を切らなくてはいけないのは教育長だろう。そして,その教育長をとりまく役職者たちだ。この役職者たちを動かしたのは議員さんたちだ。要するに,組織ぐるみの犯罪なのだ。でなければ,こんなことが長年にわたってできるはずもない。なのに,こちらの方はお咎めなし。なぜなら,「わたしは関知していませんでした」の一点張りが認められているから。冗談じゃない。部下のやっていることを「関知していない」ということがそもそも無責任。役職者としての資格はない。「知らなかった」では済まされまい。それで済むのであれば役職者は不要だ。

この根幹にかかわる部分を手つかずのままにしておいて,21人の教員に「採用取り消し」を迫ったのだ。しかも,希望すれば「補助教員」として非常勤採用をする,という。冗談じゃない。そんなことやってられるか。恥ずかしくて。しかも,この人たちのほとんどは「まさか,自分が対象者だったとは」と一様に驚いている。本人に「不正」をした覚えはまったくないのである。やったのは,本人以外の関係者だ。なにも知らずに喜び勇んで教員業に励んでいる人間に,突如,お前は「不正採用者」だったから辞めてくれ,と言って引き取ってもらえると判断した教育委員会の能天気ぶりにあきれかえってしまう。

順序が逆だろう。今回の「不正」が明らかになって,真っ先にやらなくてはならないことは,「不正」の煽りをくらって「不採用」になった人の救済だろう。つまり,全員を「採用」にすること。ここをまず解決してから,責任者を首にして(組織の要職にいた人物全員とそれにからんだ議員さん),そのあとで,採用してしまった現職教員の処遇をどうするか,ということだろう。これも首にはできない。しかも,公表もしてはならない。だって,本人はなんの犯罪も犯してはいないのだから。なんの責任もない。まったくの無実だ。

それを,まず,真っ先に「辞めてくれ」だと。わが眼を疑う。新聞を読んでいて大声を発してしまったではないか。「冗談じゃない!」と。

わたしが,かりに,この該当者だったとしたら,そして,呼び出しを受けて「辞めてくれ」と言われたら,やはり,相当のショックを受けるだろう。しかし,いつまでもくよくよしていても仕方がないので,少し考えて,ニヤリと笑って「裁判所に訴えます」と言って席を立つだろう。自分に不正を行ったという心当たりがないのだから。

今朝の新聞を読んで,今日一日,ムカムカしていて仕事にならない。その腹いせではないが,事件発覚以来,胸のうちに渦巻いていた憤懣を爆発させてしまった。大人げないが・・・・。

みなさんのご意見を賜りたい。

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